Archive for the ‘コラム’ Category
儲け話には絶対に乗ってはいけない
福岡県警は24日、県内でのSNSを発端とする、投資詐欺、ロマンス詐欺の被害額は約8憶4400万円であると発表しました。県警によると、このうち投資詐欺の被害額は約7憶4000万円で、被害者に恋愛感情を抱かせ金銭をだまし取るロマンス詐欺の被害額は約1憶円とのことです。SNSを契機とする詐欺は、被害者の年代が幅広く、20代から50代が半分近くを占めているということです。
これまで数々の詐欺のご相談をお受けしてきましたが、「まさか自分が騙されるとは思わなかった」とおっしゃるご相談者さまは多いです。詐欺師はあの手この手を使い、巧妙にお金を騙し取ろうとしてきます。具体的には、偽物のアプリを使って、あたかも自身が投資したお金が運用されているように見せかけたり、少額の金額をあえて振り込みするなどして、実際に配当金がもらえると思わせようとしてきます。弁護士としては、SNSを利用する人は、「SNSでの儲け話はすべて詐欺」と考えていただきたいと思っております。
死刑執行の告知が当日言い渡されるのは合憲との判決について
先日、死刑執行の告知が、死刑執行日当日に言い渡されるのは、死刑囚の人権を侵害しており、違憲・違法であるとして、確定死刑囚が国を訴えた訴訟で、大阪地方裁判所は、合憲であるとの判断を示しました。「死刑囚の心情の安定を図り、自殺や暴動を回避する目的がある」というのが、国側の主張のようです。国側の主張も理解できますが、アメリカでは、死刑執行の30日以上前に告知している州もあり、執行日までに時間があったほうが、死刑囚のご家族も面会に行くなどして最後の別れに備えることができるので、難しい問題です。
死刑執行の現場では、執行の1~2時間前に告知がなされていますが、アンケートによれば、国民の約40%が、知らなかったとのことです。また、そのときの法務大臣の考えにより、執行したりしなかったりと判断が分かれているのも問題です。そもそも、死刑執行を命じる法務大臣は、判決確定の日から6か月以内にしなければならないと刑事訴訟法に定めがありますが、これも守られていません。
このように、死刑執行の実際の運用は、国民には不透明なところも多く、国会できちんと議論すべき問題の一つだと思います。
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