死刑執行の告知が当日言い渡されるのは合憲との判決について

 先日、死刑執行の告知が、死刑執行日当日に言い渡されるのは、死刑囚の人権を侵害しており、違憲・違法であるとして、確定死刑囚が国を訴えた訴訟で、大阪地方裁判所は、合憲であるとの判断を示しました。「死刑囚の心情の安定を図り、自殺や暴動を回避する目的がある」というのが、国側の主張のようです。国側の主張も理解できますが、アメリカでは、死刑執行の30日以上前に告知している州もあり、執行日までに時間があったほうが、死刑囚のご家族も面会に行くなどして最後の別れに備えることができるので、難しい問題です。

 死刑執行の現場では、執行の1~2時間前に告知がなされていますが、アンケートによれば、国民の約40%が、知らなかったとのことです。また、そのときの法務大臣の考えにより、執行したりしなかったりと判断が分かれているのも問題です。そもそも、死刑執行を命じる法務大臣は、判決確定の日から6か月以内にしなければならないと刑事訴訟法に定めがありますが、これも守られていません。

 このように、死刑執行の実際の運用は、国民には不透明なところも多く、国会できちんと議論すべき問題の一つだと思います。

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