ETCカードの貸し借りには注意

最近、高速道路の料金所で使用するETCカードを家族や友人から借りて使用したことにより、電子計算機使用詐欺罪で逮捕、起訴されるケースがニュースになっています。弁護側は、「家族間の貸し借りは多くの人がやっていることなので、それが罪に当たるとなれば社会は犯罪者であふれる」と反論しているようです。また、ETCカードを借りた人は、まさか犯罪になるとは思っていなかった事案も多いと思います。

しかし、クレジットカードの利用規約には、「名義人のみ使用できる」と規定されていることから、たとえ友人や家族であっても、形式的には利用規約違反に該当することになります。また、多くの人がやっているからといって、犯罪が成立しなくなるわけではありません。

たしかに、「犯罪になるとは思っていなかった」という主張は、詐欺罪の故意を否定しますので、故意がないとなれば詐欺罪は成立しません。しかし、利用規約においてカードの名義人以外の者の利用が禁止されていること自体は特段珍しいことではなく、一般的に、通常人であれば、「本人しか使えないカードである」ということは分かるはずだといえますから、「知らなかった」という主張は、なかなか認められません。結果として、詐欺の故意が認定される可能性が高いように思います。そのため、たとえ親族や友人であっても、ETCカードを含む、クレジットカードを貸し渡す行為は、詐欺罪に問われる可能性がありますので、ご注意ください。

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