リベンジポルノで逮捕されたら?投稿・送信・脅迫で問われる罪と示談

リベンジポルノの投稿・送信・脅迫・保管で問われる罪

元交際相手の性的な画像や動画をめぐり、警察から連絡を受けたり、ご家族が逮捕されたりしたとき、強い焦りと不安に襲われることと思います。しかし、まず落ち着いて整理していただきたいのは、「実際に何をしたのか」という行為の段階によって、問われる罪名や法定刑が大きく異なるという点です。

ひとくちに「リベンジポルノ」と言っても、インターネット上に投稿したのか、特定の知人に送っただけなのか、それとも「公開するぞ」と告げて脅した段階なのか、あるいはスマートフォンに保存しているだけなのかで、適用される法律は変わってきます。

この種の事件では、いわゆるリベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)だけでなく、刑法上の脅迫罪や強要罪、さらには性的姿態撮影等処罰法(撮影罪)なども視野に入れて状況を正確に把握しなければなりません。なお、2025年6月施行の改正刑法により、従来の懲役と禁錮は「拘禁刑」に一本化されています。福岡市で多くの刑事事件の弁護に携わってきた福岡フォワード法律事務所の代表弁護士秀﨑が、4つの行為類型に分けて、成立し得る犯罪と法的な境界線を詳しく解説していきます。

リベンジポルノの投稿・送信・脅迫・保管の行為別に成立し得る犯罪の比較図解

SNSや掲示板への投稿は公表罪や名誉毀損罪など

X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS、匿名掲示板、アダルトサイトといった「不特定または多数の人が閲覧できる場所」に性的な画像・動画をアップロードする行為は、最も典型的な処罰対象です。また、ネット上への投稿だけでなく、大人数が参加するグループLINEへ送信する行為や、写真を印刷してばらまく行為もここに含まれます。

これらの行為に対してまず成立するのが、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)における「私事性的画像記録公表罪」です。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と定められています。

この公表罪が成立するためには、大きく2つの要件を満たす必要があります。

  • 私事性的画像記録であること:①性交または性交類似行為に係る人の姿態、②他人が人の性器等(性器、肛門または乳首)を触る行為等に係る人の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するもの、③衣服の全部または一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等もしくはその周辺部、臀部または胸部)が露出されまたは強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するもの、のいずれかを撮影した画像・動画であり、かつ「第三者が閲覧することを認識しながら本人が任意に撮影を許諾したものではない」ことが要件です。つまり、単なる下着姿というだけで一律に対象となるわけではありませんが、交際中に「2人だけで見る」という合意のもとで撮影した写真であっても、上記の法定の姿態に該当し、他人に公開することまで同意していなければ対象となります。
  • 撮影対象者を特定できる方法であること:見た人が「誰の写真であるか」を認識できる状態で公開されることが必要です。

ここで多くの人が誤解しがちなのが、「顔にモザイクをかけたから特定されないはずだ」「実名を書いていないから罪にはならないだろう」という点です。しかし、実際の刑事実務はそのような甘い判断をしません。

たとえば、福島地方裁判所郡山支部平成27年5月25日判決では、被害者の顔や胸の一部にモザイク処理などを施した写真を、被害者の勤務先の駐車場に多数ばらまいた行為について、リベンジポルノ防止法違反が成立すると判断されました。この事案で極めて重要なのは、たとえ顔にモザイク処理が施されていても、そこに添えられた被害者を貶める性的な表現や、ばらまかれた場所(勤務先)、周囲の人間関係といった他の情報と組み合わせることで「あの人のことだ」と特定できる状態になっていれば、優に処罰対象になるという事実です。

つまり、顔が鮮明に写っているかどうかだけでなく、投稿文の内容、アカウント名、タグ付け、公開された場所などを含めて、知人や職場関係者が本人を特定できる状態であれば、公表罪の構成要件を満たすことになります。

さらに、性的な画像をさらす行為は被害者の社会的評価を著しく低下させるため、刑法の名誉毀損罪(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が同時に成立するケースも少なくありません。加えて、性器などが露骨に写ったモザイクのない画像をネット上に公開した場合には、被害者の特定が可能かどうかにかかわらず、わいせつ電磁的記録頒布罪(2年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金もしくは科料、またはこれらの併科)にも問われる可能性があります。

知人など第三者への送信で問われる公表目的提供罪などの犯罪

「ネットの掲示板には書き込んでいない。共通の友人や、元交際相手の職場の同僚にLINEやDMで送っただけだ」というケースではどうでしょうか。不特定多数が見られる場所にアップしていなくても、決して安心はできません。

送信相手がたった1人、あるいはごく少数の特定の人物であったとしても、その相手に対して「これをSNSで拡散してほしい」「職場の皆に言いふらしてばらまいてくれ」といったように、不特定または多数の人へ広めさせる目的(公表させる目的)で画像データを送った場合には、リベンジポルノ防止法の「私事性的画像記録公表目的提供罪」が成立します。法定刑は1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。

また、「拡散してくれ」と明確な言葉で依頼していなかったとしても、油断は禁物です。たとえば、以下のような事情がある場合には、別の角度から犯罪の成立が認められるリスクがあります。

  • 送信相手が周囲に言いふらす人物だと分かっていた場合:受信者がゴシップ好きで、送れば確実に他人に転送したり見せびらかしたりするだろうと認識しながら送信した場合、実質的に公表させる目的があったと評価されるおそれがあります。
  • 送信した人数や関係性による「公表罪」や「名誉毀損罪」の成立:職場の複数の同僚に個別送信した場合など、人数によっては「多数の者への提供」として、より重い公表罪(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)に直接問われることがあります。また、1人に送っただけでも、そこから不特定多数へ広まる可能性(伝播性)が認められれば、名誉毀損罪における「公然性」が肯定され、処罰対象となります。
  • 盗撮等で生成された画像の提供(性的影像記録提供罪):送信した画像が相手の同意なく撮影(盗撮など)された性的姿態撮影等処罰法の対象記録であった場合、公表させる目的や多数への送信でなくとも、特定の第三者1人に提供しただけで同法の「性的影像記録提供罪(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)」が成立し得ます(なお、不特定または多数の者に提供したり公然と陳列したりした場合は、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはこれらの併科となります)。
  • わいせつ物としての処罰:モザイクのない露骨な性器画像などを複数人に送信した場合、わいせつ電磁的記録頒布罪が成立する余地もあります。

このように、個人間のやり取りであっても、「誰に」「どのような経緯・目的で」送信したのかによって、刑事責任の有無は厳しく審査されます。

公開を告げて脅す行為は未公開でも脅迫罪や強要罪など

当事務所にご相談に来られる方の中には、「画像はまだどこにも投稿していないし、誰にも送っていない。ただ、元交際相手に『写真をばらまくぞ』とメッセージを送っただけなのに、警察から連絡が来た」と驚かれる方もいらっしゃいます。

しかし、画像を一切公開していなくても、公開を告げて相手を畏怖させる(怖がらせる)行為は、それ自体が独立した重大な犯罪となります。実際、横浜地方裁判所平成27年6月12日判決においても、性的な動画をインターネット上に公開した行為だけでなく、元交際相手の性的画像を公開すると告げて脅迫した行為そのものが、別途刑事責任として厳しく問われました。

警察から連絡を受けた際には、画像を公開した事実と、相手を脅して何かを要求した事実を明確に切り分けて整理しなければなりません。具体的には、あなたの発言や要求の内容によって、以下のとおり成立する罪名と重さが段階的に引き上がっていきます。

行為・要求の内容成立し得る主な罪名法定刑
「ネットにさらすぞ」「職場に送るぞ」と告げただけ(要求なし)脅迫罪2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
「ばらまかれたくなければ会え・復縁しろ・土下座しろ・新しい写真を送れ」と迫った強要罪(相手が応じなくても強要未遂罪)3年以下の拘禁刑
「公開されたくなければ金を払え」「別れるなら手切れ金をよこせ」と要求した恐喝罪(払わなくても恐喝未遂罪)10年以下の拘禁刑
「写真を拡散されたくなければホテルに行こう」と脅して性行為に及んだ不同意性交等罪(未遂も処罰)5年以上の有期拘禁刑
公開の告知と要求内容によって成立し得る犯罪

特に注意が必要なのは、復縁や面会を求めて「会ってくれないなら画像を公開する」と迫った場合です。たとえ相手が拒否して実際には会えなかったとしても、脅迫を用いて義務のないことをさせようとした時点で強要未遂罪が成立し、罰金刑のない「3年以下の拘禁刑」という重い処罰枠に入ります。さらに、写真をネタに脅して性的関係を持った場合には、不同意性交等罪という極めて重い罪(5年以上の拘禁刑)に問われ、実刑判決を受ける危険性が一気に高まります。

また、「被害者本人にだけ、限定公開設定にしたURLや画像そのものを送りつけた」というケースでも、不特定多数が見られる状態ではないためリベンジポルノ防止法の公表罪には当たらないものの、「いつでも全体に公開できるぞ」という無言の圧力として脅迫罪や強要罪で立件・逮捕される現実があります。

画像の保管のみでも撮影経緯や年齢で罪に問われる例外

では、性的な画像をスマートフォンやパソコン、クラウド上に保存・保管しているだけで、投稿も送信も脅迫も一切していない場合はどうでしょうか。

結論から申し上げますと、「成人している相手と、お互いの合意のもとで撮影した性的な画像」を、特定の目的もなく単に自分の端末に保管しているだけであれば、リベンジポルノ防止法違反などの犯罪にはなりません。

ただし、これには実務上軽視できない3つの重大な例外が存在します。もし以下のいずれかに該当する場合、画像を誰にも見せず公開・送信していない段階であっても犯罪が成立し、逮捕や処罰の対象となります。

  1. 撮影時に相手の同意がなかった場合(盗撮など):相手の眠っている隙に撮影した、泥酔して拒否できない状態で撮影した、あるいは隠しカメラで盗撮したといった場合です。2023年7月に施行された「性的姿態撮影等処罰法」により、同意のない撮影行為そのものが「性的姿態等撮影罪(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)」として処罰されます。さらに、そのようにして不正に撮影された対象記録を、第三者に提供または公然と陳列する目的で保管していた場合には、保管行為自体も「性的影像記録保管罪(2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金)」として処罰されます。
  2. 撮影当時の相手が18歳未満であった場合:これが最も厳しい例外です。交際相手が撮影当時に18歳未満(高校生など)であり、かつ画像の内容が児童ポルノ禁止法第2条第3項の描写要件(性交や性交類似行為、他人が児童の性器等を触る行為等であって性欲を興奮・刺激するもの、または衣服の全部・一部を着けない児童の姿態であって殊更に性的な部位が露出・強調され性欲を興奮・刺激するもの)に該当する場合、たとえ相手が完全に同意して撮影した自撮り写真やカップル間の写真であっても、同法上の「児童ポルノ」に該当します。そのため、スマホに保存しているだけで児童ポルノの単純所持罪など(自己の性的好奇心を満たす目的での所持は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、同意の有無にかかわらず撮影させるなどして作成した場合は児童ポルノ製造罪で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)に問われます。さらに、18歳未満の児童ポルノ画像をネットに公開したり第三者に提供したりした場合には、各要件を満たせばリベンジポルノ防止法違反が成立し得るほか、より法定刑の重い児童ポルノ禁止法違反が問題となり、特定の少数の者への提供(特定提供罪)は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、不特定・多数の者への提供やネット上での公開(公然陳列罪など)は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(またはその両方)という非常に重い刑罰が科されます。
  3. 販売する目的で保管していた場合:アダルトサイトやSNS等を通じて他人に有償で販売・配信する目的で、モザイクのないわいせつな画像データを保管していた場合には、刑法の「わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管罪(2年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金等)」が成立します。

警察の捜査で確認される証拠と逮捕される判断基準

警察から呼び出しの連絡が来たとき、あるいは突然自宅に警察官がやって来たとき、「警察はどこまで証拠を掴んでいるのだろうか」「データを消せば言い逃れができるのではないか」と考える方が少なくありません。

しかし、リベンジポルノや脅迫に関する事件は、デジタルデータと通信履歴が証拠の中心となる犯罪です。口頭で「やっていない」「冗談だった」と弁解しても、客観的なデジタル証拠によって容易に覆されます。そして、捜査に対する初期の対応姿勢を一歩誤れば、そのまま逮捕・勾留という事態を招きかねません。警察が具体的に何を調べ、どのような基準で逮捕に踏み切るのかを正確に知っておきましょう。

スマホやクラウドの解析と削除済みデータの復元

警察の捜査が始まると、任意提出の要請、あるいは裁判所の発付した捜索差押許可状(いわゆる家宅捜索)によって、被疑者のスマートフォン、パソコン、タブレット、SDカードなどの記録媒体が押収されます。さらに、端末と同期されているGoogleフォトやiCloudなどのクラウドストレージ、SNSアカウントのログイン履歴、IPアドレスなどの通信ログも徹底的に調査されます。

ここで強く警告しておきたいのは、「警察にスマホを見られる前に、画像データやLINEのトーク履歴を削除したから大丈夫だ」という考えは通用しないということです。

警察の科学捜査研究所やサイバー犯罪対策課には、「デジタルフォレンジック」と呼ばれる高度な鑑識・解析技術があります。削除済みデータそのものが復元できるかどうかは、端末の機種や暗号化の仕様、保存方式、削除後の上書き状況などによって異なりますが、専用機材による内部メモリの解析によって消去したはずの画像・動画ファイルやメッセージ履歴、閲覧履歴などが復元されるケースがあるほか、仮に端末本体から復元できない場合でも、自動同期されたクラウド上のバックアップやサーバーの通信ログ、さらには被害者や送信相手の端末にデータや履歴が残っているため、削除によって痕跡を完全に消し去ることは困難です。

また、解析や保全された画像ファイルには「メタデータ(Exif情報など)」と呼ばれる記録が付随していることが多く、そこから「いつ、どの端末で撮影されたか」まで判明します。これにより、リベンジポルノの証拠だけでなく、「実は本人に無断で盗撮した画像だったのではないか」「他にも別の被害者の隠し撮りデータ(余罪)があるのではないか」という点まで芋づる式に確認されることになるのです。

被害者が提出した履歴や受信者の供述から裏付ける内容

警察が確認しているのは、あなたのスマートフォンの中身だけではありません。あなたが警察から連絡を受けた時点では、すでに被害者側や第三者から十分な証拠が集められているのが通常です。

被害者が警察へ相談に行く際、リベンジポルノの被害届や刑事告訴を受理してもらうための証拠として、すでに以下のような資料を保全し、警察へ提出しています。

  • 画像が投稿されたSNSや掲示板の画面スクリーンショット(URL、投稿日時、アカウントIDが記録されたもの)
  • あなたから送られてきた「写真をばらまくぞ」「会わなければ職場に送る」といったLINEやDMのトーク画面
  • 着信履歴や、脅迫めいた発言を録音した音声データ

さらに、あなたがネットへの投稿ではなく、共通の知人や職場の人間など「第三者」に画像を送信していたケースでは、警察はその「受信者(画像を受け取った人物)」からも事情聴取を行います。

受信者のスマートフォンに残された画像や前後のやり取りの履歴、そして受信者本人の供述から、警察は次の2点を厳密に裏付けていきます。1つ目は「誰が写っている画像だと認識したか(本人特定性)」、そして2つ目は「送信者から拡散を頼まれたか、あるいは周囲に広める趣旨で受け取ったか(公表目的の有無)」です。受信者は自分が罪に問われることを避けるため、警察に対してありのままに事実を話すことがほとんどであり、外堀が埋まった状態であなたが呼び出されているケースが多いのです。

スマートフォンを見て警察からの連絡や捜査に不安を抱える男性のイラスト

在宅捜査と逮捕を分ける要因と逮捕後の身柄拘束期間

リベンジポルノや脅迫事件で警察の捜査対象となった場合、全員が必ず逮捕されるわけではありません。普段どおり自宅で生活を送りながら、警察や検察の呼び出しに応じて取調べを受ける「在宅捜査」で進むケースも存在します。

では、在宅捜査で済むケースと、突然逮捕されて身柄を拘束されるケースを分ける要因は何でしょうか。刑事訴訟法上、逮捕の要件は「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」に加え、「証拠隠滅のおそれ」または「逃亡のおそれ」があることです。本罪においては、特に以下の4つの事情がある場合に「逮捕の必要性が高い」と判断されます。

  • 証拠隠滅のおそれがある場合:警察から連絡を受けた後にスマホのデータを消去した、端末を初期化した、アカウントを削除して知らんぷりをしたなど、証拠を隠そうとする動きが見られた場合。
  • 被害者への二次加害・威迫のおそれがある場合:被害者に対して再度連絡を取り、「なぜ警察に言ったんだ」「被害届を取り下げろ」などと迫る危険性が高いと見られた場合。
  • 犯行の悪質性・結果の重大性が高い場合:多数のサイトに広範囲で拡散している、勤務先や実家に写真を送りつけている、あるいは画像をネタに執拗に金銭や性行為を要求しているなど、実刑判決も視野に入る悪質な事案である場合。
  • 逃亡のおそれがある場合:警察からの任意の出頭要請を無視し続けている、住居が不定であるなど、捜査から逃げ回る姿勢を見せた場合。

もし逮捕されてしまった場合、日常生活には大きな支障が生じます。逮捕後の刑事手続は厳格な時間制限のもとで進み、以下のような流れで長期間の身柄拘束を受けることになります。

  1. 警察での取調べ(最大48時間):逮捕されると警察署の留置場に入れられ、外部との連絡(スマホの使用など)は一切遮断されます。逮捕から48時間以内に、事件と身柄が検察庁へ送られます(送検)。
  2. 検察官による取調べと勾留請求(最大24時間):送検を受けた検察官は、24時間以内に被疑者を取り調べ、引き続き身柄を拘束する「勾留(こうりゅう)」を裁判官に請求するかどうかを判断します。
  3. 勾留決定による身柄拘束(原則10日間・延長最大10日間):裁判官が勾留を決定すると、勾留請求された日から数えて原則として10日間、さらにやむを得ない事由があるとして検察官が請求し裁判官が認めた場合には最大10日間延長され、合計で最大20日間留置場に拘束されます。

つまり、逮捕から起訴・不起訴の判断が出るまでに、最大で合計23日間も身柄を拘束される可能性があるのです。その間、職場への欠勤や連絡が取れない状態が続けば、解雇や退学といった社会的な不利益につながるおそれもあります。だからこそ、逮捕される前、あるいは逮捕された直後の72時間以内に、勾留を阻止して早期釈放を実現するための弁護活動をスタートさせることが極めて重要になるのです。

警察からの連絡後や逮捕前後に絶対避けるべき行動

警察から「お話したいことがあります」と電話がかかってきたとき、あるいは被害者が警察に相談したらしいと知ったとき、多くの人はパニックに陥ります。そして、「今のうちに何とかしなければ」という強い焦りから、自分や家族の判断で行動を起こしてしまいます。

しかし、良かれと思って取った行動が、刑事手続においては「証拠隠滅や被害者への威迫のおそれがある」と判断され、逮捕・勾留を招く要因になってしまうことが少なくありません。事件発覚後に絶対にやってはいけない2つのNG行動について、その理由とともに強く警告します。

被害者へ直接連絡して謝罪や示談を持ちかけること

リベンジポルノ事件の特殊性は、被害者が「元交際相手」などの顔見知りである点にあります。見ず知らずの他人に対する犯罪とは異なり、あなたは被害者の電話番号、LINEアカウント、自宅の住所、さらには勤務先まで知っている状態にあるはずです。

そのため、警察が動いていると知った途端、「直接会って謝れば許してくれるかもしれない」「自分で連絡して、被害届を取り下げてもらおう」と考え、被害者に電話をかけたりLINEを送ったり、自宅付近で待ち伏せしたりする人が後を絶ちません。また、被疑者の親御さんが「うちの息子を許してやってくれ」と被害者に直接連絡してしまうケースもあります。

しかし、被害者への直接接触は、いかなる理由があっても絶対にやめてください。

性的な画像を公開された、あるいは公開すると脅された被害者は、あなたに対して強い恐怖心と嫌悪感を抱いています。自分の尊厳を踏みにじられたと感じ、精神的に深く傷ついた結果として、勇気を振り絞って警察に助けを求めているのです。

そのような状態の被害者に対し、加害者本人やその家族から直接「謝りたい」「話し合いたい」と連絡が来たらどう感じるでしょうか。被害者はそれを謝罪とは受け取らず、「また脅されるのではないか」「警察に言ったことを逆恨みして報復されるのではないか」とパニックに陥ります。そして直ちに警察へ「犯人から連絡が来ました!」と通報します。

捜査機関の視点からも、被疑者側から被害者への直接接触は、連絡の内容や反復性、拒絶されているにもかかわらず面会を強請したか、あるいは被害届の取下げを強く迫ったり威迫的な言動をとったりしたかといった事情によっては、謝罪ではなく「被害者に圧力をかけて供述を変えさせようとする働きかけ(罪証隠滅のおそれ)」と受け止められます。さらに、態様次第では証人等威迫罪や新たなストーカー規制法違反、脅迫罪などが問題となるケースもあります。こうした接触によって「在宅のままにしておくと被害者に働きかけて証拠隠滅を図るおそれが高い」と判断されれば、本来なら在宅捜査で進んでいた事案でも、逮捕状が請求されるリスクを高める結果となります。

自己判断でスマホの初期化やデータ消去を行うこと

もう一つの致命的なNG行動が、自分のスマートフォンやパソコンの中にあるデータを自己判断で消去したり、端末を初期化・機種変更・物理的に破壊したりすることです。

ここで読者の皆様が混乱しやすいのが、「ネット上に公開してしまった画像は一刻も早く消さなければならない(被害拡大の防止)」という要請と、「警察の捜査対象となっている証拠を勝手に消してはならない(証拠隠滅の禁止)」という要請のバランスです。

警察から連絡が来た後や、捜査が始まっていることを察知した後に、スマホ内の元画像フォルダを空にしたり、被害者とのLINEトーク履歴を削除したり、スマホを工場出荷状態にリセットしたりする行為は、典型的な「証拠隠滅行為」とみなされます。先ほど解説したとおり、解析によって削除データが復元されたり他の保存先や相手方の端末から証拠が裏付けられたりするだけでなく、「データを消して痕跡を隠そうとした」という事実そのものが警察・検察の心証を悪化させ、逮捕・長期勾留の判断に直結する重大な要因となります。

また、SNSや掲示板に投稿した画像を削除する場合であっても、捜査機関に何の断りもなく投稿アカウントごと削除して逃亡を図ったように見せかけると、「犯行の証拠を隠滅しようとした」と不利に扱われるリスクがあります。端末の操作やネット上の投稿削除については、決して自己判断で動くのではなく、必ず直ちに弁護士へ相談し、捜査機関への適切な説明と手順を踏んだうえで進める必要があります。

逮捕回避と不起訴に向けた弁護士による削除と示談の進め方

リベンジポルノやそれに伴う脅迫事件を起こしてしまった場合、逮捕・勾留による身柄拘束を回避し、最終的に前科のつかない「不起訴処分」を獲得するためには、被害者への真摯な謝罪と被害回復、すなわち「公開画像の確実な削除」と「示談の成立」が何よりも重要になります。

しかし、前述のとおり本人や家族が直接動くことは実務上避けるべきであり、かえって事態を悪化させるおそれがあります。ここからは、刑事弁護の専門家である弁護士が介入することで、どのようにして証拠保全や捜査機関との調整を行いながら削除と示談を進め、身柄拘束の回避や生活への影響軽減を目指すのか、その具体的なプロセスを解説します。

弁護士によるリベンジポルノ画像の削除と示談交渉から不起訴獲得を目指す流れ

親告罪と非親告罪の違いから見る示談と告訴取消しの効果

被害者との間で示談を成立させることが、刑事処分にどれほど決定的な影響を与えるのかを理解するために、まずは「親告罪」と「非親告罪」という法的な違いを押さえておきましょう。

親告罪(しんこくざい)とは、被害者からの「刑事告訴(犯人を処罰してほしいという法的な意思表示)」がなければ、検察官が被疑者を起訴(裁判にかけること)できない犯罪を指します。一方、非親告罪とは、被害者の告訴がなくても検察官の判断で起訴できる犯罪です。リベンジポルノ関連事件で問題となる罪名を分類すると、以下のようになります。

区分該当する主な罪名起訴前に示談・告訴取消しが成立した場合の効果
親告罪・私事性的画像記録公表罪・私事性的画像記録公表目的提供罪・名誉毀損罪必要な告訴がない状態、または起訴前に有効な告訴取消しが行われた場合、起訴の条件(訴訟条件)を欠くため、検察官は起訴できず不起訴処分(前科なし)となる。
非親告罪・脅迫罪、強要罪、恐喝罪・不同意性交等罪・わいせつ電磁的記録頒布罪・性的姿態等撮影罪、保管罪、提供罪・児童ポルノ禁止法違反法律上は起訴可能だが、被害回復や処罰感情の緩和は有利な情状として考慮され、事案の軽重や前科等とあわせた総合判断のなかで「起訴猶予(不起訴)」や量刑判断において重要な要素となる。
罪名ごとの親告罪・非親告罪の区別と示談の効果

この表から分かるとおり、もしあなたの行為がリベンジポルノ防止法違反(公表罪や公表目的提供罪)や名誉毀損罪のみに該当する場合、これらは親告罪です。したがって、すでに告訴されている場合には、検察官が起訴・不起訴を決める前に弁護士を通じて被害者と示談を成立させ、捜査機関に対する「有効な告訴の取消し」が行われれば、訴訟条件が失われるため検察官は法律上あなたを起訴することができなくなります。また、まだ告訴される前であれば、示談において今後告訴しない旨の合意を取り付けることで、事実上告訴が控えられ、必要な告訴がないまま不起訴処分(または事件化回避)となる見込みが高まります(なお、私人間で告訴しない旨を合意しただけでは法的に告訴権そのものが消滅するわけではないため、合意内容を確実に履行し被害者の納得を得ることが不可欠です)。

一方で、「画像を公開すると脅した(脅迫罪・強要罪)」「無断で盗撮した画像だった(撮影罪・提供罪等)」「相手が18歳未満だった(児童ポルノ禁止法違反)」「モザイクなしの局部画像をさらした(わいせつ電磁的記録頒布罪)」といった事情が含まれる場合は、非親告罪となります。

しかし、非親告罪だからといって示談の意味がないわけでは決してありません。刑事実務において、検察官が起訴するかどうかの判断(起訴便宜主義)を下す際には、事案の重大性や犯行態様、前科・前歴の有無などとともに、「被害結果が回復されているか」「被害者が加害者を許しているか(宥恕の意思があるか)」という犯罪後の情況も重要な考慮要素となります。非親告罪であっても、弁護士が間に入って被害者と誠実に交渉し、「謝罪を受け入れ、刑事処罰を求めない」という条項を含む示談が成立すれば、検察官が「起訴猶予」として不起訴処分にする判断や、起訴された場合の情状酌量において有利な材料となります。どの罪名に問われているにせよ、弁護士を通じた迅速な示談交渉が解決の重要な鍵を握っているのです。

証拠隠滅と疑われずに公開停止と転載先削除を進める手順

実際にインターネット上に性的な画像を公開・拡散してしまった事案では、お金(示談金)の話をする前に、まず「ネット上にさらされている画像を1秒でも早く消し、被害の拡大を止めること」が最優先事項となります。自分の画像がネット上に残り続けている状態で、被害者が加害者を許すはずがないからです。

では、前章で述べた「証拠隠滅の疑い」を警察に持たれることなく、適正に画像を削除するにはどうすればよいのでしょうか。弁護士がご依頼を受けた場合、以下のような実務手順を踏んで慎重かつ迅速に対応します。

  1. 現状の把握と証拠の適切な保全:まず弁護士が、どのサイトのどのURLにどのような画像が投稿されているのかを正確に聞き取り、必要に応じて現在の表示画面やURL等の客観的な状況を記録・保全します。
  2. 捜査機関(警察・検察)への事前報告と調整:すでに警察が捜査を開始している場合、被疑者が無断でアカウントや投稿を消すと証拠隠滅と疑われかねません。そこで弁護士から担当の警察官や検察官に対し、「被疑者は事実を認めて反省しており、これ以上の被害拡大を防ぐために該当投稿の削除手続を行いたい。必要な証拠保全が済んでいるか確認してほしい」と正式に連絡・調整を行います。このように弁護士を通じてオープンに手続を踏むことで、削除行為が「証拠隠滅」ではなく「被害回復のための真摯な努力(有利な情状)」として正しく評価されるようになります。
  3. 公開停止とサイト運営者への削除申請:自分が管理しているSNSアカウント等の投稿であれば直ちに公開を停止・削除し、匿名掲示板やアダルトサイト等で自分で消せない状態になっている場合は、弁護士がプラットフォーム運営者やサーバー管理者に対して、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づく送信防止措置依頼(削除請求)などを迅速に行います。
  4. 転載先の追跡・削除と費用の精算:ネットの恐ろしいところは、一度投稿された画像が第三者によって別のまとめサイトや海外サーバーのサイトへ勝手に転載(コピー)されてしまう点です。弁護士は転載先の有無も確認して削除対応を進めます。また、もし被害者側がすでに自費で削除専門の弁護士や業者に依頼して削除を進めていた場合には、被害者が負担したその削除費用(実費)を全額賠償することも含めて、示談交渉の中で誠実に調整していきます。

より具体的な削除手続の流れや法的な仕組みについては、リベンジポルノ画像を削除するには?拡散を止める手続と証拠保全をご覧ください。

データ消去の誓約を含む示談条項と交渉の限界への備え

画像の公開停止や削除の手配と並行して、弁護士は検察官や警察官を通じて被害者の連絡先を聴取し(被害者が直接の連絡先開示を拒む場合は、被害者側の弁護士や検察官を介して)、示談交渉を開始します。

リベンジポルノ事件における示談金(慰謝料・解決金)の相場は、行為の態様(脅迫だけなのか、知人への送信なのか、ネットへの広範な拡散なのか)や被害者の精神的苦痛の程度、加害者の資力などによって大きく変動しますが、実務上は数十万円から、拡散範囲が広い場合や悪質な強要を伴う場合では100万円〜数百万円規模に至ることも珍しくありません。

しかし、この種の事件の示談交渉において、金額以上に被害者が強くこだわる重要なポイントがあります。それは、「加害者の手元にまだ画像データが残っており、いつかまたネットに流されるのではないか」という拭いきれない恐怖心の解消です。

どれほど高額な示談金を提示しても、「手元にデータが残っているかもしれない」という不安がある限り、被害者は決して示談書にサインしてはくれません。そのため、当事務所の弁護士がリベンジポルノ事件の示談書を作成する際には、単なる金銭の支払いだけでなく、被害者の安心を法的に担保するための以下のような特約条項を綿密に盛り込みます。

  • 謝罪と示談金の支払い条項:行為に対する真摯な謝罪と、精神的苦痛および削除費用等に対する賠償金の支払いを明記します。
  • 全画像データの消去と確認方法:スマートフォン、パソコン、外部記録媒体、クラウドストレージ等に保存されている被害者に関する一切の画像・動画データを、捜査上必要な証拠保全の手続や捜査機関との調整を踏まえたうえで消去すること、およびその対応状況を説明・確認する方法(押収された端末等の所有権放棄の手続、捜査機関による対象記録の消去手続、手元にある確認対象媒体について弁護士立ち会いのもとで消去を実施した記録の提示など、それぞれの手続で確認・説明できる範囲の方法)を定めます。
  • 保有・複製・第三者提供の永久禁止:万が一、未把握のデータが発見された場合には、公開・送信・複製を一切行わず、直ちに弁護士へ報告のうえ必要な証拠保全や捜査機関との調整を経て消去すること、および今後一切の保有、複製、SNS等への投稿、第三者への送信を行わないことを誓約します。
  • 接触禁止・口外禁止条項:今後、被害者の自宅や職場に近づかないこと、電話・LINE・SNS等で一切連絡を取らないこと、および本件に関してネット上や第三者に一切言及しないことを約束します。
  • 違約金(違約罰)条項:もし将来、再び画像を流出させたり接触禁止に違反したりした場合には、直ちに高額な違約金(たとえば数百万円など)を支払うというペナルティを設定します。禁止される行為と違反時の金銭的負担を明確に定めることで、約束の履行を法的に担保し、被害者が抱く再流出や再接触への懸念に対応します。
  • 告訴取消し・宥恕(ゆうじょ)条項:上記の条件をすべて履行することを前提に、被害者が刑事告訴を取り下げ、被疑者を許し、刑事処罰を求めない旨を記載します。

もっとも、性的な尊厳を傷つけられた被害者の処罰感情は極めて強く、どれほど弁護士が粘り強く誠意を尽くしてアプローチしても、「絶対に顔も見たくないし、お金もいらないから厳罰にしてほしい」と示談交渉自体を拒否されてしまう限界ケースも現実には存在します。

しかし、たとえ被害者との示談が叶わなかったとしても、そこで弁護活動が終わるわけではありません。当事務所の代表弁護士・秀﨑は、これまで数多くの刑事事件において、示談が成立しない困難な状況であっても、謝罪や被害回復に向けた努力、再発防止策の構築、有利な情状資料の提出など、事案に応じて取り得る弁護活動を尽くす方針で対応してきました。

万が一示談が成立しない場合であっても、弁護士は直ちに次善の策へと動きます。被疑者本人に深い反省を促して心のこもった謝罪文を作成させるとともに、受け取ってもらえなかった示談金相当額を公的な被害者支援団体へ寄付する「贖罪寄付(しょくざいきふ)」の手続を行います。さらに、把握している対象媒体について弁護士立ち会いのもとでデータ消去を実施した確認記録や、関連アカウントの削除等のアクセス制限措置、ご家族による今後の厳格な監督体制の誓約書といった具体的な再発防止策の実施状況を資料化して揃え、検察官や裁判官に対して意見書として提出し、逮捕・勾留の回避や不起訴処分、あるいは減刑に向けて交渉を重ねます。

刑事手続の全体像や当事務所の弁護方針については、刑事事件で体系的に解説しています。

リベンジポルノや脅迫をめぐる事件は、初動のわずか数日間の対応が、その後の刑事処分や社会生活への影響を大きく左右します。警察から連絡を受けてどうしていいか分からず震えている方、あるいはご家族が突然逮捕されて途方に暮れている方は、ご自身で動いて事態を悪化させてしまう前に、今すぐ福岡フォワード法律事務所へご相談ください。あなたの味方として、現状を打開し未来へ前進するための最善のサポートを全力で行います。まずはお問い合わせページ、またはお電話にてすぐにご連絡ください。

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