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もしかして不同意性交等罪?飲酒後の性行為で不安な方へ
「お酒の席で意気投合し、相手も同意の上だと思っていたのに、後日『同意していない』と言われたら…」
「酔っていて、はっきりとした記憶がない。もしかしたら、相手を傷つけてしまったかもしれない…」
もしあなたが今、このような不安に苛まれているなら、この記事はあなたのためにあります。楽しいはずだったお酒の席が一転、人生を揺るがす深刻な事態に発展するケースは、決して他人事ではありません。
2023年の刑法改正により「不同意性交等罪」が新設され、これまで以上に「真の同意」があったかどうかが厳しく問われるようになりました。特に、飲酒が絡むケースでは、相手が酔っていたことを理由に「同意はなかった」と判断されるリスクが格段に高まっています。
突然、警察から連絡が来たら?逮捕されてしまったら?頭が真っ白になり、誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。しかし、一つだけ確かなことがあります。それは、初動の対応があなたの未来を大きく左右するということです。
この記事では、刑事事件に精通した弁護士が、不同意性交等罪、特に飲酒時のケースに焦点を当て、逮捕された場合の解決策を具体的に解説します。漠然とした不安を解消し、今すぐ何をすべきか、明確な道筋を示しますので、どうか最後までお読みください。
不同意性交等罪とは?成立する8つのケースを弁護士が解説
不同意性交等罪は、相手が「同意しない意思」を表明することが難しい状態に乗じたり、そうした状態にさせたりして性交等を行った場合に成立する犯罪です。以前の強制性交等罪と異なり、暴行や脅迫がなくても成立するのが大きな特徴です。
具体的には、以下の8つのいずれかの状態を利用・創出した場合に罪に問われる可能性があります。

- 暴行・脅迫を用いる
- 心身の障害を生じさせる
- アルコール若しくは薬物を摂取させる、又はそれらの影響がある
- 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせる
- 同意しない意思を形成・表明・実現するいとまを与えない(例:不意打ち)
- 予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させる(例:監禁状態での要求)
- 虐待に起因する心理的反応を生じさせる
- 地位に基づく影響力で不利益を受けることを憂慮させる、又は相手がそれを憂慮している(例:上司と部下、教師と生徒)
これらは法律で定められた類型であり、これらに類する行為や事由も含めて判断されます。大切なのは、相手が自由な意思で性行為に同意できる状態にあったかどうかという点です。特に飲酒が絡む場合は、3番目の「アルコール又は薬物の影響」が大きな争点となります。
「同意があった」は通用しない?飲酒時の注意点
「相手も酔っていたけれど『いいよ』と言った」「抵抗されなかったから同意だと思った」——。こうした主張は、残念ながら通用しない可能性が高いと考えなければなりません。
法律が問題にしているのは、言葉のやり取りの有無ではなく、「同意能力」があったかどうかです。どの程度の酩酊状態で同意能力が失われるかは、「ほろ酔いならOK」「泥酔はNG」といった単純な線引きで決まるわけではありません。相手が正常な判断を下せない状態にあることを認識しながら性行為に及んだと判断されれば、たとえ表面的な同意があったとしても、罪に問われるリスクがあります。
捜査機関や裁判所は、当日の飲酒量、相手の言動、帰宅時の様子などを客観的な証拠から総合的に判断します。安易な自己判断は非常に危険です。少しでも不安を感じたら、ご自身の状況が法的にどう評価されるのか、専門家である弁護士に相談することが不可欠です。
法定刑は5年以上の拘禁刑|初犯でも実刑の可能性
不同意性交罪の法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」と定められています。これは非常に重い刑罰であり、罰金刑の選択肢はありません。
法律上、執行猶予が付く可能性があるのは、判決が「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」の場合です。不同意性交罪は法定刑の下限が5年であるため、酌むべき事情がなければ、初犯であっても執行猶予がつかずに実刑判決(刑務所に収監されること)となる可能性が十分にあるのです。
一度有罪判決が確定すれば、前科がつき、その後の人生に計り知れない影響を及ぼすことになります。事態の深刻さを正しく認識し、最悪の事態を回避するために全力を尽くす必要があります。
刑事事件の全体像については、刑事事件で体系的に解説しています。
参照:法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」
【解決事例】飲酒後の性行為、示談成立で不起訴を獲得
「もう終わりだ…」と絶望的な気持ちになるかもしれません。しかし、適切な対応を迅速に行うことで、未来を守ることは可能です。ここで、当職が実際に解決した事例をご紹介します。
ご相談に来られたAさんは、まさに青天の霹靂といったご様子でした。ナンパで意気投合した女性と飲食店に行ってお酒を飲み、合意の上でホテルへ行った。そう信じていた矢先、警察から「女性が不同意性交罪で被害届を出した」と連絡があったのです。抵抗された記憶はなく、むしろ良い雰囲気だったはずなのに、なぜ——。Aさんは混乱し、強い恐怖に震えていました。
「女性は少し酔っていたようでした」というAさんの言葉が、私は気がかりでした。たとえAさんに悪気がなくても、相手の女性が「酔っていて正常な判断ができなかった」と感じていれば、捜査は進んでしまいます。起訴される可能性も決して低くはない、デリケートな事案だと判断しました。
そこで、私はAさんの未来を守るため、被害女性との示談交渉を最優先に進めるという弁護方針を立てました。もちろん、Aさんご本人が直接交渉することは、かえって女性の感情を逆なでし、事態を悪化させるだけです。私が代理人として、誠心誠意、謝罪と被害弁償の気持ちをお伝えすることに全力を注ぎました。
交渉は決して簡単ではありませんでしたが、粘り強く想いを伝えた結果、最終的には無事に示談が成立。その結果、検察官はAさんを不起訴処分としました。
Aさんは逮捕されることも、実名が報道されることもなく、これまで通りの日常を取り戻すことができました。警察の取り調べも一度で済み、検察に呼ばれることさえありませんでした。「先生のおかげです」と、安堵の表情で深く頭を下げられたAさんの姿は、今も忘れられません。この事例は、たとえ被害届が出されても、迅速かつ的確な弁護活動によって、最良の結果を導き出せることを示しています。

不同意性交罪で逮捕された後の流れと弁護士の初動
万が一、不同意性交罪の容疑で逮捕されてしまった場合、時間との勝負が始まります。身体拘束からの早期解放と、不起訴処分の獲得を目指すためには、逮捕直後の弁護士による「初動」が極めて重要になります。
逮捕後の流れは、以下のようになります。

- 逮捕(最大72時間):警察は48時間以内に検察官に事件を送致します。検察官は、送致から24時間以内に、被疑者の身体拘束を続ける「勾留」を裁判所に請求するか、釈放するかを判断します。
- 勾留(最大20日間):裁判官が勾留を決定すると、原則10日間、延長されるとさらに最大10日間、警察署の留置場で生活しながら取り調べを受けることになります。
- 起訴・不起訴の決定:検察官は、勾留期間内に集めた証拠をもとに、被疑者を起訴(刑事裁判にかけること)するか、不起訴(裁判にかけず事件を終了させること)にするかを最終的に決定します。
この限られた時間の中で、弁護士は以下のような初動対応を行います。
- 即日接見:逮捕の連絡を受け次第、すぐに警察署へ駆けつけ、ご本人と面会します。今後の流れや取り調べへの対応方法を具体的にアドバイスし、精神的な支えとなります。
- 勾留請求の阻止:検察官や裁判官に対し、勾留の必要性がないことを主張する意見書を提出し、早期の身柄解放を目指します。
- ご家族との連携:逮捕されてしまうと、ご本人は外部と連絡を取ることが難しくなる場合があります。弁護士が唯一の窓口となり、状況を正確に伝え、不安を和らげます。
逮捕から72時間が、その後の運命を分ける最初の分岐点です。「様子を見よう」と待っている時間はありません。一刻も早く弁護士に依頼することが、最善の策なのです。
前科を回避する弁護活動|不起訴処分の獲得が鍵
社会生活への影響を最小限に抑え、前科をつけずに事件を解決するためには、検察官から「不起訴処分」を獲得することが絶対的な目標となります。不起訴になれば、刑事裁判は開かれず、前科がつくこともありません。
不起訴処分を得るための弁護活動は、大きく分けて2つの方針があります。
方針1:被害者との示談交渉を進める
被害者がいる犯罪において、不起訴処分を獲得するために最も有効な手段が、被害者との示談を成立させることです。示談が成立し、被害者が加害者を「宥恕する(許す)」という意思を示してくれれば、検察官は「当事者間で解決したのなら、国が刑罰を科す必要性は低い」と判断し、不起訴処分とする可能性が非常に高まります。
しかし、加害者本人やその家族が直接交渉しようとすると、被害者の感情をさらに傷つけ、示談が不可能になるケースがほとんどです。だからこそ、第三者である弁護士が代理人として間に入り、冷静かつ丁寧な交渉を行う必要があるのです。
示談金の相場は事案によって大きく異なりますが、単にお金を支払うだけでは意味がありません。被害届の取り下げや、加害者を許すという「宥恕文言」を盛り込んだ示談書を法的に有効な形で作成することが、専門家である弁護士の重要な役割です。
方針2:同意があったことを客観的証拠で主張する
「自分は絶対にやっていない」「相手の同意は確かにあったはずだ」と確信している場合、容疑を全面的に争うことになります。この場合、あなたの主張を裏付ける「客観的な証拠」をいかに集められるかが、勝負の分かれ目となります。
単に「同意があった」と叫ぶだけでは、捜査機関は耳を貸してくれません。以下のような証拠が、あなたの無実を証明する上で重要になります。
- 性行為の前後における、親密な様子のうかがえるLINEやSNSのやり取り
- 二人で仲良くホテルに入っていく様子が映った防犯カメラ映像
- 「二人は合意の上だったように見えた」という第三者(店の従業員など)の証言
弁護士は、こうした証拠を粘り強く収集・精査し、捜査機関や裁判官に対して、あなたの主張が正当であることを論理的に主張していきます。無実を証明するための闘いは、決して一人ではできません。例えば、撮影罪のような他の性犯罪においても、客観的証拠に基づく弁護活動が極めて重要です。
不同意性交罪の悩みは、福岡フォワード法律事務所へ
ここまで、飲酒が絡む不同意性交罪のリスク、逮捕後の流れ、そして前科を回避するための具体的な弁護活動について解説してきました。この記事を読んで、事態の深刻さと、一刻も早い行動の重要性を感じていただけたのではないでしょうか。
不同意性交罪の疑いをかけられるということは、あなたの人生そのものが崖っぷちに立たされているのと同じです。一人で悩み、時間を無駄にしてしまうことほど、もったいないことはありません。
福岡フォワード法律事務所は、刑事事件、特に不同意性交罪のような複雑な事案の解決に豊富な経験と実績があります。私は、ご依頼者様をただ「護る」だけでなく、未来を切り拓くために積極的に闘う「攻めの弁護」を信条としています。
「弁護士は敷居が高い」と感じるかもしれません。しかし、私はご相談しやすい雰囲気作りを徹底し、あなたの悩みに親身に寄り添うことをお約束します。暗い顔で事務所に来られた方が、少しでも笑顔になって帰られること、それが私の最大の喜びです。
勇気を出して、まずは一歩を踏み出してください。私たちが全力であなたをサポートします。
