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請負代金とは
発注者から業務を請け負った人(請負人)が、業務の完成を約束し、請負人が成果物を納品した対価として、発注者が代金を支払う契約のこと請負契約といいます。
その請負契約に基づいて発生した対価が請負代金です。
売掛金とは
商品の売上の未収金やサービスを提供したことによる営業収益の未収金のことをいいます。これを支払う人の側からいうと、買掛金となります。
請負代金(売掛金)の回収の特徴
請負代金(売掛金)の回収の特徴として、個人間で起こるトラブルというよりも、個人事業主や企業が、その取引先との間でトラブルになるケースが多いです。
その場合には、通常、注文書、発注書、請求書といった書類が残っているでしょうから、比較的、代金の額自体や、請求権の発生自体の立証は容易なことが多いです。
そのため、弁護士から相手方に対し、電話や内容証明郵便にて督促を行った場合、相手方は、民事訴訟や財産への執行を警戒するでしょうから、支払いに応じてくれるケースもままあります。
また、相手方が企業であれば、レピュテーションリスクを気にするかもしれません(レピュテーションリスクとは、企業に関するネガティブな評価が広まった結果、企業の信用やブランド価値が低下し損失を被るリスクのことをいいます。)。
依頼者が督促し続けたにもかかわらず、何年も支払いをしなかった相手方が、私が電話で督促した途端、支払いに応じたというケースもありました。
契約どおりの金額にならないことがある
他方で、建設業においては、請求書どおりの金額をそのまま請求しても、相手方がすんなりと支払ってくれないといったことが起こり得ます。
これはどういうことかというと、建設業では、業界特有の慣行もあいまって、契約書を明確に交わしていない(交わしていてもざっくりとした内容にとどまっている。)ことが多いのです。
なぜなら、建設業においては、請負人が工事を遂行する過程で、工事の追加や変更、部品の追加や変更といったことが頻繁に起こるため、契約当初の段階で、請負代金を明確に取り決めることが難しいからです。
このような事案ですと、追加や変更となった工事や部品の金額が適切かどうか、その追加工事や変更に際し、両者間で合意があったといえるのかといった点が深刻な争いになりますので、容易には請負代金の回収を図ることが難しくなります。
請負代金や売掛金の回収は弁護士にご相談を
弁護士は、まずは注文書、発注書といった契約関係書類をもとに相手方に対して内容証明郵便などの通知書を送付し、交渉を開始します。追加工事や部品の変更がある場合には、工事や部品の代金の適正さを説明して粘り強く相手方と交渉をすすめていきます。
それでも折り合いがつかない場合には、民事調停や民事訴訟を提起して、回収を図ることになります。この場合には、専門性が高くなりますので、鑑定人や専門委員など、建設業に詳しい専門家が間に入ってくれることもあります。
請負代金や売掛金の回収でお悩みの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。