貞操権侵害で慰謝料を請求するには

貞操権侵害にあたるかを確認する

相手の男性と肉体関係を持ったから、結婚できなかったからといって、なんでもかんでも慰謝料請求できるわけではありません。まずは相手の行為が貞操権侵害にあたるかを確認する必要があります。

たとえば、「未婚者である」と嘘をつかれて性交渉した、「妻とは長期間別居しており離婚状態である」と嘘をつかれて性交渉した、「結婚する」と何度も噓をつかれて性交渉した、といった事実があった場合に、貞操権侵害に基づく慰謝料請求ができる可能性があります。

証拠をそろえる

相手が嘘をついた証拠を保管しましょう。マッチングアプリでのトーク履歴やLINEでのトーク履歴が証拠になります。また、マッチングアプリの相手方のプロフィール文のスクリーンショット(未婚などと書いてある。)やマッチングアプリの利用規約(既婚者は利用禁止等と書いてる。)も証拠になります。

性交渉があった証拠もあるとなおいいです。動画があるというのはなかなかないと思いますが、性交渉の事実がうかがわれるLINEでのやりとりでもいいですし、ラブホテルの領収書などでもOKです。

相手が実は既婚者であることを確かめる方法として、一番確実なのは戸籍を見ることです。しかし、市町村役場で、他人の戸籍を発行してもらうことは基本的にはできません。ではなぜ、既婚者であることが発覚するのかというと、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSで発覚することが多いです。

また、相手が奥さんといるところをたまたま目撃して発覚した、知人から伝え聞いたといった事案もあります。

相手の配偶者から慰謝料請求を受ける可能性がある

あなたが、相手に対し、貞操権侵害に基づく慰謝料請求をした場合、それが引き金となって相手の配偶者にあなたの存在が発覚することがあります。相手の配偶者にとっては、相手があなたと不倫をしたという事実が決定的に重要であり、あなたが既婚であることを隠されていたかどうかはどうでもいいことです。

したがって、逆に、相手の配偶者から慰謝料請求をされてしまうリスクがあります。もちろん、相手が既婚者であることは知らなかったのですから、不法行為に対する「故意」がないとして請求を拒絶することになります。

しかし、「過失」(注意していれば既婚であることはわかったはずだ)があったと主張されてしまうリスクは残ります。

弁護士に相談する

貞操権侵害で慰謝料を請求したい場合、あるいは貞操権侵害で慰謝料を請求された場合には、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

実は貞操権というのは、民法に明確に書いてあるわけではなく、本当に貞操権侵害が発生したのかどうかは、詳細な事実関係と証拠を分析して検討する必要があるからです。

また、請求金額の妥当性も精査する必要があります。さらには、貞操権侵害で慰謝料を請求した場合、逆に、相手の配偶者から慰謝料請求をされてしまうリスクもケアしなければなりません。そこで、弁護士に相談することにより、法律的に最適なアドバイスと対処法を得ることができます。

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