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内容証明郵便が届いたら
不倫(不貞)をしてしまった場合、不倫相手の配偶者(夫や妻)が依頼した弁護士から内容証明郵便で通知書が届くことがあります。
内容証明には、「あなたの不貞行為により、夫婦関係が破壊されました。つきましては、2週間以内に300万円を支払ってください。」などと記載されていると思います。
このような状況になった場合には、差出人の弁護士にすぐに連絡したり、そのまま300万円を支払ったりせず、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
ご自身で対応してしまうリスク
ご自身で相手方が依頼した弁護士に連絡してみるとします。すると、弁護士は交渉のプロですから、あなたが言い分を主張しようと試みたとしても、弁護士からいろいろと言いくるめられてしまう可能性があります。
そうすると、あなたは、つい支払義務を認める発言をしてしまうといったことが起こり得ます。そして、その弁護士はあなたとの会話を録音している可能性もあります。そうなると、その録音が証拠となるので、あとからあなたが弁護士に依頼したとしても、減額の交渉が難しくなることがあります。
したがって、あなたから直接相手方の弁護士に連絡をとってしまうことは控えたほうが良いでしょう。もし、連絡をする場合でも、その場では支払をすることを決めてしまわず、「検討させてほしい。」と言って、いったんは持ち帰ることをおすすめします。
内容証明記載の事実が間違っている場合
相手方弁護士が作成した内容証明郵便の通知書に記載されている内容は、必ずしも正しいとは限りません。典型的には、不貞の事実がないのにもかかわらず、不貞をしたと断定した表現になっているパターンがあります。その場合は、弁護士に依頼して、しっかりと肉体関係はないという事実を主張・反論していく必要があります。
また、不貞をした事実は間違いないけれども、不貞期間や回数が間違っていたりすることもよくあります。この場合にも、正しい事実関係を弁護士にしっかりと主張・反論してもらうことで、慰謝料が減額できる場合があります。
ですので、相談する弁護士に、正しい事実関係をしっかりと説明する必要があります。できれば、相談前に、箇条書きでもいいので、正しい事実関係を時系列で記載したメモを作成して相談の際に持っていくと、弁護士としてはありがたいです。
内容証明記載の事実が正しい場合
相手方弁護士が書いた内容証明郵便の通知書に記載されている内容が、おおむね正しく、とくに反論したいことが見つからないといったこともあります。
その場合でも、相手方弁護士に回答する前に、いったんは他の弁護士に相談してみることをおすすめします。なぜかというと、相手方弁護士が主張する慰謝料の金額が高すぎる場合があるからです。
慰謝料の相場は、100~300万と言われることが多いと思いますが、内容証明には「500万を請求する」「探偵費用100万を請求する」などと記載されているパターンもあります。500万円という金額は慰謝料の相場と比べるとかなり高いと思いますし、探偵費用は、訴訟の場では、必ずしも裁判所が認めてくれるわけではありません(探偵に依頼しなければならない必然性がないので、損害との間に因果関係がないとされることがあります。)。
したがって、事実関係に争いはない場合でも、慰謝料額の適正さを吟味する必要がありますので、専門家である弁護士に相談し、減額交渉をしてもらう必要があるのです。