業務上横領が会社に発覚…弁護士が示談・不起訴への道を解説

Man in a suit sits at a table with head bowed as another person places a hand on his shoulder under a warm backlight.

会社のお金を横領してしまった…一人で悩んでいませんか?

「会社のお金に手をつけてしまった…。」
このページに辿り着いたあなたは今、誰にも言えない秘密を抱え、強い不安や後悔を抱えているのではないでしょうか。

「いつ会社にバレるんだろう…」
「もし逮捕されたら、家族はどうなるんだろう…」
「これからの人生、一体どうなってしまうのか…」

発覚や逮捕、家族への影響などを考え、不安が大きくなっている方もいるかもしれません。

しかし、どうか絶望しないでください。横領をしてしまった場合でも、被害弁償や示談交渉、捜査機関への対応など、状況に応じて検討できる対応があります。

この記事は、法律の難しい話をするためだけのものではありません。業務上横領をしてしまった場合に考えられる刑事責任、会社対応、示談交渉、弁護士に相談するメリットを整理するための記事です。

どうか一人で抱え込まないでください。まずはこの記事を最後まで読み進めて、正しい知識と対処法を知ることから始めましょう。それが、解決に向けた重要な第一歩となるはずです。適切な弁護士選びも重要です。

業務上横領とは?問われる罪の重さと背任罪との違い

ご自身の状況を冷静に把握するため、まずは「業務上横領罪」がどのような犯罪で、どれほどの重い責任を問われる可能性があるのかを正確に理解しましょう。

横領とは、簡単に言えば「自分が預かっている他人のモノを、自分のものにしてしまう行為」です。例えば、友人から預かったゲーム機を勝手に売ってしまうのが、単純な「横領罪」です。法定刑は5年以下の拘禁刑です。

これに対し、「業務上横領罪」は、経理担当者が会社の口座から送金したり、営業担当者が集金した売上金を着服したりするなど、「仕事として(業務上)預かっている会社のお金や物を横領する」場合に成立します。会社との信頼関係を裏切る悪質な行為とみなされるため、単純横領罪よりも重い、10年以下の拘禁刑という厳しい罰則が定められています。これは、窃盗罪(10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)と比較しても、罰金刑の選択肢がない、非常に重い犯罪なのです。

業務上横領罪と単純横領罪の違いを比較する図解。業務上横領は法定刑が10年以下の拘禁刑と、より重いことが示されている。

また、似た言葉に「背任罪」がありますが、これは「自己や第三者の利益を図る目的、または会社に損害を与える目的で、任務に背く行為をして会社に財産上の損害を与える」場合に成立します。横領が「自分のものにする」行為であるのに対し、背任は「任務に背いて会社に損害を与える」という点で異なります。

このように、業務上横領は極めて重い刑事罰につながる可能性のある犯罪行為です。自己判断で対応すると、不利な供述や合意をしてしまう可能性があるため注意が必要です。

参照: 刑法 | e-Gov 法令検索

会社との面談、一人で臨むことの3つの重大リスク

横領が発覚した、あるいは発覚しそうなとき、多くの場合、会社から「話がある」と面談を求められます。動揺し、罪悪感を抱える中で、この面談に一人で臨むことは、今後の示談交渉や刑事手続に影響する可能性があるため、慎重な対応が必要です。もし警察や検察に呼び出された場合と同様に、専門家の助けなくして軽率な対応をすべきではありません。

リスク1:不利な内容の誓約書にその場で署名させられる

会社側は、面談の場で事前に用意した誓約書への署名を求めてくることが少なくありません。強いプレッシャーと罪悪感から、内容をよく確認せずにその場で署名してしまうケースが後を絶ちません。

しかし、その誓約書には、以下のような、あなたにとって著しく不利な条項が含まれている可能性があります。

  • 不当に高額な賠償金:実際の被害額に、高額な調査費用や逸失利益などが上乗せされている。
  • 一括返済の強制:あなたの支払い能力を無視した、非現実的な一括返済が約束させられる。
  • 連帯保証人の要求:ご両親や親族を連帯保証人にするよう求められる。

一度署名・捺印してしまえば、その文書は法的な拘束力を持ちます。後になって「無理な内容だ」と主張しても、覆すことは極めて困難になるのです。

リスク2:録音された不利な発言が刑事事件の証拠になる

会社との面談は、会話が録音されていると考えた方がよいでしょう。特に、会社側が刑事告訴を視野に入れている場合、その録音が、後の示談交渉や刑事手続で証拠として扱われる可能性があります。

精神的に追い詰められた状況で、

  • 「はい、私がやりました…」という曖昧な返事
  • 「本当に申し訳ありませんでした」という謝罪の言葉
  • パニックになってついた、つじつまの合わない嘘

これらの発言が、横領の事実や手口、悪質性を認めたものとして解釈され、後の示談交渉や刑事手続で不利に評価される可能性があります。不用意な発言が、今後の対応を難しくする可能性があります。発言一つで罪の印象が大きく変わることがあります。

リスク3:感情的な対立で示談交渉が決裂し、即刑事告訴へ

会社との面談で一人、厳しい追及を受け憔悴しきっている男性のイラスト。感情的な対立で示談交渉が決裂するリスクを象徴している。

信頼していた従業員に裏切られた会社側の怒りは、想像に難くありません。厳しい詰問に対し、あなたがパニックに陥り、言い訳をしたり、嘘をついたりすれば、会社側の態度はさらに硬化します。

「反省の色が見られない」「誠意がない」

そう判断された場合、示談交渉が難しくなり、会社が警察へ被害届や告訴状を提出する可能性があります。そうなれば、逮捕・勾留といった身体拘束を受け、刑事事件として捜査が進むことになります。当事者同士の話し合いは、こうした感情的な対立によって、事案が刑事手続へ進む可能性があります。これは会社側が正当な債権回収の手段として刑事告訴を選択するということです。

解決の鍵は弁護士の面談同席|不起訴への第一歩

前章で述べた3つの重大なリスクを抑え、事態の悪化を防ぐための有力な対応策の一つが、「弁護士に依頼し、会社との面談に同席してもらう」ことです。一人で立ち向かう必要はありません。法律相談を通じて専門家を味方につけることが、不起訴処分獲得への、そしてあなたの未来を守るための、最も重要な第一歩となります。

弁護士が面談で果たす役割

弁護士は、単に面談に付き添うだけではありません。あなたの代理人として、そして法律の専門家として、あなたの代理人として、法的観点から面談対応を支援します。

  1. 法的な守り手として:会社が提示する誓約書の内容をその場で法的に精査し、不当な要求がある場合には、法的根拠に基づいて受け入れられない旨を伝えます。また、録音されても問題のない、冷静かつ的確な受け答えができるよう、あなたを隣でサポートします。
  2. 冷静な交渉代理人として:感情的になりがちな会社側との間に立ち、法的な根拠に基づいて冷静に交渉を進めます。あなたの深い反省と謝罪の意を誠実に伝えつつ、双方が納得できる示談の落としどころを探ります。
  3. 今後の手続を見据えた対応として:その場しのぎの対応ではなく、最終的なゴールである「不起訴処分の獲得」と「あなたの社会復帰」から逆算し、今何をすべきかを戦略的に判断します。早期の身柄解放と同様に、初動の対応が極めて重要です。

弁護士の同席は、会社側に対しても「法的に事を進める」という無言のメッセージとなり、無茶な要求を抑制する効果も期待できます。

【解決事例】弁護士の同席で刑事事件化を回避できたケース

当事務所では、勤務先のお金を横領してしまった方からのご相談が増えています。先日も、会社から事情聴取を求められた段階でご相談いただき、弁護士が対応した事例がありました。

ご相談者様は、退職後に在職中の横領が発覚し、会社から事情聴取のために呼び出された方でした。会社との面談に一人で臨むことに不安があるとして当事務所にご相談くださり、私が面談に同席させていただくことになりました。

面談当日。弁護士が同席することで、ご依頼者様は落ち着いて事情を説明することができました。会社側から厳しい口調で事実関係を追及される可能性もありましたが、私が間に入ることで、感情的な対立に発展することはありませんでした。会社側も、弁護士が同席している手前、その場で無理な誓約書にサインをさせるような強硬な手段には出ませんでした。

面談後、私は速やかに会社側と賠償額や支払い方法について交渉を開始。最終的に、ご依頼者様の支払い能力に応じた現実的な条件で、迅速に示談をまとめることができました。

示談書には、賠償が完了したことの確認に加え、「宥恕文言(ゆうじょもんごん:会社がご依頼者を許し、刑事処罰を望まないという意思表示)」と「清算条項(これ以上の請求はしないという約束)」を明確に盛り込みました。これにより、将来的に刑事告訴されるリスクをなくすことができたのです。

まさに迅速な弁護士への相談と面談同席が、刑事事件化を防ぎ、ご依頼者様の人生を守った解決事例といえるでしょう。

示談成立から不起訴へ|弁護士が行う具体的な弁護活動

弁護士のサポートにより会社との示談が成立し、関係者が安堵の表情で握手をしているイラスト。円満解決のイメージ。

会社との面談を乗り越えた後も、弁護士の役割は続きます。刑事事件化を防ぐため、専門家として多角的な弁護活動を展開します。同様の財産犯である万引き事件などでも示談の成否が処分を大きく左右します。

賠償額の交渉と現実的な返済計画の策定

まずは、会社側と示談交渉を本格化させます。弁護士は、横領の態様や期間を精査し、法的に妥当な被害額を確定させます。会社側が請求する金額に、過大な調査費用などが含まれていないかを厳しくチェックし、必要であれば減額交渉を行います。

同時に、ご依頼者様の収入や資産状況を正確に把握し、毎月無理なく返済していける現実的な分割払いの計画を策定し、会社側に提示します。当事者同士では感情的になりがちな金銭交渉も、弁護士が代理人として冷静に進めることで、円満な合意形成を目指します。

示談書を作成する重要性

示談交渉がまとまれば、その合意内容を法的に有効な「示談書」として作成します。この示談書は、単なる約束事のメモではありません。合意内容を明確にし、後日の紛争を防ぐために重要な法的文書です。

特に重要なのが、以下の3つの要素です。

  1. 被害弁償の事実:会社が被った損害に対して、賠償が行われた(または行われる計画である)ことを明記します。
  2. 宥恕文言(ゆうじょもんごん):「被害者(会社)は加害者(あなた)を許し、刑事処罰を望みません」という一文です。これが、検察官が不起訴処分を下す上で最も重視する要素の一つとなります。
  3. 清算条項:「本示談書に定めるほか、当事者間には何らの債権債務関係がないことを相互に確認する」という一文。これにより、後から追加の請求をされるリスクをなくします。

より詳しい手順については、示談で解決したいをご覧ください。

検察官への働きかけと不起訴処分の獲得

万が一、すでに会社が警察に相談・告訴しており、事件として捜査が進んでいる場合でも、その場合でも、示談成立や被害弁償の状況を踏まえて対応を検討できます。弁護士は、成立した示談書を検察官に提出し、被害者である会社が処罰を望んでいないことを強く主張します。

さらに、あなたが深く反省していること、ご家族が監督を誓っていること、二度と過ちを繰り返さないための具体的な取り組みなどを記載した意見書を作成・提出し、検察官に不起訴処分(特に起訴猶予)が相当であると働きかけます。こうした活動は、たとえ自首・出頭した場合でも、処分の軽減に大きく影響します。

これらの弁護活動を通じて、前科がつくことなく社会復帰できる可能性を高めるために尽力します。

まとめ|未来のために、今すぐ弁護士にご相談ください

会社のお金を横領してしまった場合、その事実を前提に適切な対応を検討する必要があります。しかし、その過ちとどう向き合い、どう責任を取っていくかで、あなたの未来は大きく変わります。

この記事でお伝えしてきたことの要点は、以下の通りです。

  • 業務上横領罪は、10年以下の拘禁刑が科される重い犯罪である。
  • 一人で会社の面談に臨むと、不利な誓約書への署名や刑事告訴など、取り返しのつかない事態を招くリスクがある。
  • 弁護士が面談に同席することで、法的にあなたを守り、冷静な交渉によって示談成立の可能性を高めることができる。
  • 宥恕文言を含む適切な示談書を交わすことが、不起訴処分を勝ち取るための鍵となる。

一人で対応することに不安がある場合は、早めに弁護士へ相談することを検討してください。早い段階でご相談いただくことで、対応の選択肢を検討しやすくなり、より適切な方針を立てられる可能性があります。

ご依頼者様の状況を丁寧に確認し、会社対応、示談交渉、刑事手続への対応について、必要な弁護活動を迅速に行うことを重視しています。

まずは現在の状況を整理し、対応方針を検討することが重要です。私たちが、あなたの再スタートに向けた対応を全力でサポートします。まずはお気軽に法律相談のお問い合わせください。

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