リベンジポルノ画像を削除するには?拡散を止める手続と証拠保全

リベンジポルノ削除の前に!拡散防止と両立すべき証拠保全

ご自身の性的な画像や動画が、元交際相手などによってSNSや匿名掲示板、動画サイトに無断で投稿されているのを見つけたとき、頭が真っ白になるほどの強いショックと焦りを感じるのは当然のことです。「一秒でも早くこの画面を消し去りたい」「誰かに見られる前に削除しなければ」と、パニックに近い状態で削除ボタンを押したり、サイトの管理者へ慌てて連絡したりしようとする方は少なくありません。

リベンジポルノ画像の削除について、福岡市で多くの刑事事件の弁護に携わってきた福岡フォワード法律事務所の代表弁護士秀﨑が丁寧に解説します。

まず、法律の専門家として最初にお伝えしたいのは、「削除を急ぐあまり、証拠を何も残さずに投稿を消してしまうことのリスク」です。

当事務所で想定している典型的なモデルケースをご紹介しましょう。元交際相手から匿名掲示板に性的画像を投稿されたある相談者が、強い恐怖と動揺から、発見直後に掲示板の管理者へ削除を依頼しました。幸いにも投稿自体はすぐに削除されたものの、相談者は削除前の画面や投稿日時、投稿者のアカウント情報などを十分に保存していなかったのです。その後、気を取り直した相談者が「やはり犯人を特定して責任を取らせたい」「二度と投稿できないようにしたい」と考えたときには、すでに投稿の存在や内容を裏付ける資料が失われており、発信者を特定するための法的手続や損害賠償請求に向けた立証で非常に苦労することになりました。

この事例から皆様にお伝えしたいのは、「画像の削除(拡散防止)」と「証拠保全」は、どちらか一方を犠牲にするものではなく、必ず両立させなければならないということです。

性的な画像が公開されている状況は一刻も早く解消すべきですが、削除の手続きを始めるほんの十数分前、まずは深呼吸をして、後の発信者特定や刑事告訴、損害賠償請求に不可欠な証拠を手元に残す作業を行ってください。ただし、被害者ご自身がむやみに性的画像をダウンロードしたり、相談のために他人に転送したりすることが適切とは限りません。無理に画像データそのものを保存しようとせず、画面構成やURLなどを安全に確保したうえで、警察や弁護士に証拠保全の方法を相談することも大切な選択肢です。

警察庁の広報資料でも、性的画像の公表被害に遭った際は相手からの着信履歴やメールなどを消さずに保存しておくよう案内されています。まずは公的機関が示す初期対応の注意点も確認しておきましょう。

参考:警察庁|私事性的画像記録の被害防止と対応

リベンジポルノの削除依頼前に保存すべき証拠と注意点の図解

URL・画面・投稿日時・検索結果を漏れなく保存する方法

サイト運営者へ削除を求める際にも、後に裁判所を通じて投稿者を特定する際にも、「どのサイトの、どのページの、いつの、どの投稿が権利を侵害しているのか」を客観的に特定できる資料が求められます。

焦っていると、問題となっている画像部分だけを拡大してスマートフォンのスクリーンショットを撮ってしまいがちです。しかし、画像だけの切り抜きでは「本当にそのサイトに掲載されていたのか」「いつの投稿なのか」を後から証明することができません。以下の5つの情報を必ずセットで保存してください。

  • 投稿ページの完全なURL:スマートフォンのブラウザ画面では、アドレスバーのURLが途中で省略されて表示されることがよくあります。画面の撮影だけでなく、必ずURLをコピーし、メモ帳アプリなどに「完全な文字列」として貼り付けてテキスト保存してください。
  • 投稿日時と投稿番号(レス番号):匿名掲示板やSNSでは、同じスレッドやアカウント内に多数の投稿が並びます。問題となっている投稿がされた「年月日・時刻」や「レス番号」が画面内に収まるように撮影します。
  • 投稿者のアカウント名・ID・プロフィール画面:SNSの場合、表示名(ニックネーム)だけでなく、@から始まるユーザー名やそれに連動するプロフィールURLも後から変更されることがあります(サービス内部で割り当てられる固有の識別IDとは異なります)。変更される前に、発見時点のユーザー名(文字列)・プロフィールページのURL・トップ画面を互いに関連付けて記録しましょう。
  • 投稿ページ全体の画面:問題の画像がどのような文脈やタイトルで掲載されているかが分かるよう、ページ全体(前後の書き込みやスレッドタイトルを含む画面)を撮影します。パソコンのブラウザの印刷機能を使って「PDFとして保存」する方法も有効ですが、設定によってはURLや日時が印字されないことがあります。印刷設定で「ヘッダーとフッター」の表示を有効にし、保存前のプレビューと保存後のPDFファイルの両方で、URL・日時・対象投稿が欠けずに表示されているかを確認してください。PDF上に表示されない情報は別途テキスト等で記録しておきましょう。
  • 検索エンジンの検索結果画面:GoogleやYahoo!などでご自身の名前などを検索した際に、該当の投稿や画像が表示される場合は、その「検索結果一覧の画面(タイトルや説明文のスニペット、画像検索のサムネイル表示状況)」も保存しておきます。

なお、スクリーンショットやPDFを保存したファイルについては、「いつ(撮影・取得日時)」「どのサイトから(取得元)」保存したのかをメモにまとめておくと、後から警察や弁護士へ経緯を説明する際に非常にスムーズです。

元交際相手との通信記録(LINE・DM等)の保全手順

インターネット上の投稿画面と並んで重要なのが、「誰が、どのような経緯でその画像を撮影・入手し、公開に至ったのか」を裏付ける通信記録です。

リベンジポルノの事案では、投稿自体は匿名で行われていても、その前後に元交際相手やトラブルになっている人物から接触があるケースが少なくありません。具体的には、以下のような記録が極めて重要な証拠となります。

  • 元交際相手など思い当たる人物から届いたLINE、メール、SNSのダイレクトメッセージ(DM)
  • 「復縁しないなら画像をばらまく」「ネットに晒したから見てみろ」といった、公開をほのめかしたり脅迫したりする発言の履歴
  • 交際中に当該画像を撮影・送信した際の日時ややり取り(「誰にも見せないから送って」といった会話など)
  • 短時間に繰り返された不在着信の履歴や、留守番電話の音声データ

とくにLINEやInstagramのDMなどでは、相手側が「送信取消」機能を使って後からメッセージを消去してしまうおそれがあります。脅迫めいたメッセージが届いたら、相手が消す前にすぐスクリーンショットを撮影してください。

このとき、トーク画面のメッセージ部分だけでなく、「トークルーム上部に表示される相手のアカウント名」と「相手のプロフィール画面(LINEであれば友だちリスト上の表示や登録電話番号などが分かる画面)」を関連付けて保存することが大切です。さらに、スマートフォンの故障や紛失に備え、LINEのトーク履歴をテキストファイル形式で出力し、クラウドストレージやパソコンなど複数の安全な場所へバックアップを取っておきましょう。

本人が画像を再送・ダウンロードして被害を広げない注意点

証拠を残そうと必死になるあまり、被害者ご本人が無意識のうちにやってしまいがちな危険な行動があります。それは、投稿された性的画像や動画データそのものを自分の端末にむやみにダウンロードしたり、「こんなものが載せられている」と友人・知人や相談窓口のメール等へ直接添付して再送・転送したりすることです。

このような行動をおすすめしない理由は大きく2つあります。

1つ目は、二次流出やさらなる精神的ダメージのリスクです。ご自身のスマートフォンに画像データを保存し、それをLINEやメールで他人に送信すると、宛先の誤送信や、受け取った知人の端末からの流出、クラウドの自動同期設定による意図しない共有など、被害が拡大する危険が生じます。また、カメラロールに被害画像が残り続けること自体が、ご自身の心を繰り返し傷つける原因にもなりかねません。

2つ目は、法的なリスク(児童ポルノ禁止法との関係)です。もし投稿された画像や動画が、被害者ご自身が「18歳未満」であった時期に撮影されたものである場合、児童買春・児童ポルノ禁止法上の取扱いに注意が必要です。同法における単純所持・保管罪は「自己の性的好奇心を満たす目的」などを要件としているため、被害者ご自身が証拠保全の目的で保存する行為が直ちに処罰対象となるわけではありませんが、たとえ被写体が自分自身であっても、そのデータを第三者へメール等で送信(提供)する行為は同法上の問題を生じさせるおそれがあります。

したがって、画像や動画の元データをむやみにダウンロードしたり誰かに転送したりすることは避けるべきです。まずは先ほどご説明した「完全なURL」と「ページ構成が分かる画面情報(または画像部分を軽くモザイク等で伏せた状態の画面)」を確保し、実際のデータの確認や安全な証拠保全の手順については、直接画面を見せられる警察や弁護士に相談して進めるようにしてください。

リベンジポルノを削除する4つの手続と切り替えの判断軸

必要な証拠を手元に保全できたら、次は一刻も早くインターネット上から画像を消し去るための手続きに移ります。リベンジポルノの削除を求める手段は1つではなく、大きく分けて以下の4つのアプローチが存在します。

手続の種類主な特徴・窓口所要期間の目安費用の目安(本人対応時)
① サイトのWebフォーム申請SNSや掲示板が設ける通報・削除窓口から申請する任意手続数日〜2週間程度無料
② セーフラインへの通報民間団体(SIA)が国内外のサイトへ削除要請を代行する仕組み数日〜数週間程度(※結果通知なし)無料
③ 送信防止措置依頼情報流通プラットフォーム対処法に基づき書面等で削除を求める手続数日〜2週間程度(※意見照会期間短縮の特例あり)郵送料・実費のみ
④ 削除仮処分申立て裁判所を通じてサイト運営者に削除命令を出してもらう法的手続発令まで約1〜2か月程度(※任意に削除されない場合は別途執行手続が必要)印紙・郵券代+担保金(10万〜30万円程度)
リベンジポルノを削除する4つの主な手続の比較

基本的な戦略としては、まず迅速に対応してもらいやすい「任意の削除要請(①〜③)」から着手し、サイト運営者が応じない場合や、そもそも窓口が存在しない悪質なサイトである場合には、速やかに「裁判所を通じた法的手続(④)」へと切り替えるのが鉄則です。それぞれの特徴と判断の基準を詳しく見ていきましょう。

リベンジポルノ削除の4つの手続と仮処分へ切り替える流れの図解

サイト運営者の専用フォームやセーフラインによる削除要請

初期対応として最も手軽に着手できるのが、投稿されたサイト自身が用意している専用フォームからの削除申請と、公的な通報窓口の活用です。

X(旧Twitter)やInstagramなどの大手SNS、主要な動画サイト、国内の一般的な掲示板などでは、利用規約違反やプライバシー侵害を申告するための専用Webフォームが設けられています。とくに性的画像の無断公開は多くのプラットフォームで重大な規約違反と位置づけられており、さらに2025年4月に施行された「情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)」によって、大規模なプラットフォーム事業者には削除申出に対する迅速な対応と通知が義務づけられています。フォームから対象URLと本人の同意なき性的画像である旨を正確に申告すれば、数日程度で削除されるケースも珍しくありません。

ただし、一部の匿名掲示板などでは、専用フォームや削除依頼スレッドに書き込んだ「削除依頼の本文」や「依頼者の氏名・理由」がそのまま一般公開されてしまう仕様になっていることがあります。これを知らずに本名や詳細な事情を書き込んでしまうと、「本人が嫌がっている」と加害者を刺激し、さらなる拡散(炎上)を招く危険があるため、申請前に必ずサイトの削除ガイドラインを確認してください。

また、自分で直接サイトに連絡するのが怖い場合や、海外のアダルトサイトなどで窓口が分からない場合には、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)が運営する「セーフライン(SafeLine)」という無料通報窓口を利用する方法もあります。リベンジポルノ被害についてWeb上から通報すると、SIAがガイドラインに照らして違法・有害情報を判断し、国内外のサイト管理者やプロバイダへ削除要請を代行してくれます。

もっとも、セーフラインからの要請には法的な強制力はなく、さらに「実際に削除要請を行ったかどうか」や「削除されたかどうか」といった個別の結果連絡は通報者に届かない仕組みになっています。そのため、通報から数日〜1週間ほど経っても画像が消えない場合は、漫然と待ち続けるのではなく、次の手段へ切り替える必要があります。

情報流通プラットフォーム対処法の制度概要や、総務省が案内している相談窓口については、以下の公式ページもあわせてご参照ください。

参考:総務省|インターネット上の違法・有害情報対策

情報流通プラットフォーム対処法に基づく送信防止措置依頼

サイトに専用の削除フォームが見当たらない場合や、フォームから申請しても一向に反応がない場合に有効なのが、情報流通プラットフォーム対処法(旧プロバイダ責任制限法)に基づく「送信防止措置依頼」です。

これは、サイト運営者やサーバーの管理会社(コンテンツプロバイダ)に対し、「あなたの管理するサーバー上で私の権利(プライバシー権や肖像権など)を侵害する情報が流通しているため、削除(送信防止措置)を求めます」と、法的な書式に則って正式に要請する手続きです。

この手続きの最大のポイントは、リベンジポルノ(私事性的画像記録)に関する意見照会期間の短縮特例(いわゆる「2日ルール」)にあります。

通常、プロバイダが被害者から送信防止措置依頼を受け取ると、表現の自由にも配慮するため、投稿者(発信者)に対して「この投稿を削除してよいか」を確認する「意見照会」を行います。一般的な名誉毀損や誹謗中傷の事案では、発信者が照会を受けた日から「7日間」を経過しても反論(不同意の申出)がなければ、プロバイダは削除によって発信者に生じた損害について賠償責任を負わない仕組みになっています。

しかし、ひとたび拡散すれば取り返しのつかない深刻な被害をもたらすリベンジポルノについては、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)」の特例によって、この期間が大幅に短縮されています。具体的には、被害者が「撮影対象者本人であること」や「公表された画像が私事性的画像記録に該当すること」を明記して申し出た場合、プロバイダは発信者が照会を受けた日から「2日」を経過しても発信者から不同意の申出がなければ、投稿を削除しても発信者に対する損害賠償責任を負わないと定められているのです(※プロバイダに削除義務を課したり2日以内の削除完了を保証したりする制度ではありませんが、削除に伴うプロバイダ側の法的リスクを大きく軽減する効果があります)。

この法的根拠を明示して書面(内容証明郵便など)を送付することで、任意のフォーム申請では動かなかったサイト管理者が、免責要件を踏まえて速やかに削除へ動く可能性が高まります。

任意の依頼で消えない場合に削除仮処分へ切り替える基準

送信防止措置依頼を行っても、投稿者が「本人の同意を得て掲載している」などと嘘の反論をしてプロバイダが削除をためらった場合や、海外サーバーを利用した悪質なまとめサイト・アダルト動画サイトなどで運営者が任意の要請を完全に無視する場合には、直ちに裁判所を利用した法的手続である「削除仮処分(仮の地位を定める仮処分)」へ切り替える必要があります。

通常の民事裁判(訴訟)では解決までに半年から1年以上かかってしまいますが、仮処分は「今すぐ被害を止めなければ回復困難な損害が生じる」という緊急の事案において、裁判所が迅速に審理を行い、サイト運営者に対して「仮に投稿を削除せよ」という命令を出してくれる手続きです。大まかな流れと目安は以下のとおりです。

  1. 申立て:裁判所へ「仮処分命令申立書」「投稿記事目録」「権利侵害を裏付ける疎明資料(証拠)」などを提出します。
  2. 審尋(しんじん):裁判官と面談し、主張や証拠の確認を行います。相手方(サイト運営者)が出頭しないケースも多くあります。
  3. 担保金の供託:裁判所が削除命令を出す条件として、万が一後から不当な削除だったと判明した場合に備える「担保金」を法務局へ預けます。削除仮処分の担保金は10万〜30万円程度(事案によっては50万円程度)が目安ですが、このお金は手続きが無事に終了した後、所定の手続きを踏めば原則として手元に還付されます(戻ってきます)。
  4. 仮処分命令の発令と削除への対応:担保金を納めると裁判所から削除命令が発令されます。大手プラットフォームや一般的なサイト運営者はこの命令を受けて任意に画像を削除するケースが多いものの、命令の発令と実際の削除は別の段階であり、悪質なサイト運営者などが命令に任意に従わない場合には、裁判所に「間接強制(削除しない限り制裁金を支払わせる命令)」を申し立てるなどの追加対応が必要になることもあります。

申立てから仮処分命令の発令までの期間は、約1〜2か月程度が目安です(発令後に運営者が任意に削除しない場合はさらに期間を要します)。制度上はご本人で申し立てることも不可能ではありませんが、実務上は「被保全権利(人格権やプライバシー権)の精緻な法的構成」や、相手方が海外法人(X社やMeta社、海外の動画サイト運営会社など)である場合の「日本の裁判所の管轄を認めてもらうための上申書作成」「外国法人の資格証明書取得・翻訳」など、極めて専門的な知識が求められます。

書類の不備でやり直しになり1週間、2週間と時間を浪費している間にも、画像の閲覧や転載は進んでしまいます。「フォームや送信防止措置依頼で1〜2週間以内に消えない」「相手が海外サイトや悪質な掲示板である」と判明した時点で、迷わず弁護士へ相談し、仮処分への切り替えを判断することをおすすめします。

転載先が増えた場合の追跡と検索事業者への削除要請

リベンジポルノの対応において非常に厄介なのが、「最初に投稿された1つのサイトから画像を消しただけでは、被害が終わらないケースが多い」という現実です。

匿名掲示板やSNSに投稿された性的な画像・動画は、第三者や自動収集プログラム(ボット)によって瞬く間にコピーされ、他のまとめサイトや別の掲示板、さらには海外のアダルト動画共有サイトへと次々に転載されてしまうことがあります。また、投稿元のページからは削除されたにもかかわらず、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果(画像検索のサムネイルやページの説明文)にデータ(キャッシュ)が残り続け、検索した人の目に触れ続けてしまう事態も少なくありません。

したがって、元のサイトへの削除手続を進めると同時に、「どこまで転載が広がっているかの追跡」と「検索エンジンの検索結果からの削除」を並行して進めることが不可欠です。

複数サイトへ転載された画像・動画の調査と並行対応

まずは、問題の画像や動画が他のサイトへコピー・転載されていないかを正確に把握するための調査を行います。具体的には、以下のようなキーワードを組み合わせて検索(エゴサーチ)を実施します。

  • 被害者ご自身の本名、旧姓、よく使っていたニックネーム
  • ご自身のSNSアカウント名やユーザーID(@以降の文字列)
  • 出身校、勤務先、居住している地域名(市区町村名など)
  • 元の投稿につけられていた特徴的なタイトルや、説明文のフレーズ

これらをGoogleの通常のウェブ検索だけでなく、「画像検索」や「動画検索」のタブに切り替えて確認します。なお、画像を用いて同一・類似の掲載先を探す逆画像検索(Googleレンズ等)については注意が必要です。とくに撮影時に18歳未満であった画像は、児童ポルノ禁止法および検索事業者のポリシー上の問題が生じるため、スクリーンショット等を撮影・アップロードして検索する方法は絶対に行わず、URLやキーワードによる調査にとどめて警察や弁護士へご相談ください。成人の画像であっても、外部サービスへ画像データを送信すること自体にプライバシー上の懸念が伴うため、性的画像そのもののアップロードは避け、着衣の背景部分や関連テキスト等から調査するのが安全です。

もし複数のサイトへ転載されていることが判明した場合、残念なことですが「大元のサイトを消せば自動的に転載先も消える」という仕組みにはなっていません。転載されたサイトごとに運営者やサーバー管理会社を特定し、それぞれに対して個別に削除依頼や送信防止措置依頼、仮処分を行っていく必要があります。

何十件もの転載先リストを作り、一つひとつのサイト規約を調べて削除申請を繰り返す「イタチごっこ」に、被害者ご本人がたった一人で立ち向かうのは、精神的にも時間的にも限界があります。自分の被害画像を何度も直視しなければならない苦痛は計り知れません。転載が広がっている兆候が見られたら、複数サイトの管理者やサーバー会社に対して一斉に法的措置(送信防止措置依頼の大量送付や仮処分)を講じることができる弁護士に、調査と対応を一任することが心身を護るためにも重要です。

Google等の検索結果やキャッシュから削除する手続

個別のサイトに対する削除要請と並行して必ず行いたいのが、GoogleやYahoo!などの検索事業者に対する「検索結果からの削除要請」です。

インターネット上の特定のページにたどり着く人の大半は、検索エンジンを経由しています。そのため、仮に海外の悪質サイトが削除になかなか応じない場合であっても、Google等の検索結果(タイトル、スニペットと呼ばれる抜粋文、および画像検索のサムネイル)からそのページを非表示(デインデックス)にできれば、第三者の目に触れる機会を劇的に減らすことができます。

検索結果からの削除手続は、元の投稿ページの状況によって2つのパターンに分かれます。

  1. 元のサイトの画像・ページがすでに削除されている場合:
    元のサイトからは消えたのに検索結果にだけ残っている状態(キャッシュが残っている状態)であれば、Googleが提供している「古いコンテンツの削除」という専用ツールからURLを送信して更新をリクエストすることで、数日程度で検索結果やサムネイル表示を消去できます。
  2. 元のサイトの画像・ページがまだ削除されていない場合:
    投稿元が削除に応じない段階でも、Googleは「同意のない露骨な性的画像の削除」に関する明確なポリシーを設けており、専用の申請フォームから本人の同意なく公開された性的画像である旨を申告すれば、検索結果自体から該当URLを除外してもらうことが可能です。また、万が一フォーム申請で認められない場合には、検索事業者を相手方として裁判所に「検索結果削除の仮処分」を申し立てる道も開かれています。

なお、日本のYahoo!検索はGoogleの検索システムを利用していますが、元ページ削除に伴う検索情報の更新とは異なり、各社のポリシーに基づく個別の検索結果非表示(削除)の判断までが自動的に連動するとは限りません。Yahoo! JAPANでも独自の削除基準と申告窓口を設けているため、Googleへの申請後もGoogleとYahoo!の双方で実際の表示状況を確認し、Yahoo!の検索結果に残っている場合はYahoo!側の窓口へも個別に削除を申告することが重要です。投稿元へのアプローチと各検索エンジンへのアプローチを両輪で進めることが、拡散を最小限に食い止める鍵となります。

削除だけでは終わらない?情報開示・刑事告訴との役割分担

ここまでは「ネット上に公開された画像をどうやって消すか」という手順を解説してきました。しかし、リベンジポルノ被害の恐ろしさは、「今見えている投稿をすべて削除できたとしても、加害者の手元に元データが残っていれば、数か月後や数年後にまた別のサイトへ再投稿される危険がある」という点にあります。

削除後の再投稿を防ぎ、加害者への法的責任を追及するためには、表示を消す「削除手続」だけでなく、犯人を特定する「発信者情報開示請求」、犯罪として処罰を求める「刑事告訴」、そして元データの消去や再発防止を約束させる「民事上の交渉(示談)」という目的の異なる各手続きをどう組み合わせるかという戦略的な視点が欠かせません。なお、加害者を特定した後に進めるネット上の権利侵害に対する慰謝料請求の手順と相場を知っておくことも、今後の見通しを立てるうえで役立ちます。

削除手続・発信者情報開示・刑事告訴および示談交渉の役割分担を示す図解

削除手続と発信者情報開示請求を並行すべき理由

まず明確に区別していただきたいのが、「削除請求」と「発信者情報開示請求」はまったく別の手続きであるということです。

  • 削除請求:サイト運営者に対し、ネット上の画像や投稿を「見えなくすること」を求める手続き。削除されても、誰が投稿したのかは教えてもらえません。
  • 発信者情報開示請求(開示命令申立て):サイト運営者(コンテンツプロバイダ)や、投稿者が利用した携帯キャリア・回線業者(接続プロバイダ)に対し、匿名で投稿した犯人の「IPアドレス」「タイムスタンプ」、そして最終的な「契約者の氏名・住所・電話番号等」を開示するよう求める法的手続。

「元交際相手の仕業に違いない」と心当たりがある場合でも、相手が「自分はやっていない、勝手にスマホから流出しただけだ」とシラを切れば、証拠なしに法的責任を追及することは困難です。誰が投稿したのかを法的に動かぬ証拠で特定して初めて、相手に対して損害賠償を請求したり、再発防止の誓約書を取り付けたりすることが可能になります。

そして、この2つの手続きを「最初から並行して進めるべき」最大の理由は、プロバイダにおける通信記録(アクセスログ)の保存期間という厳しいタイムリミットにあります。

犯人を特定するための手がかりとなるアクセスログは、プロバイダ側で永久に保存されているわけではありません。接続プロバイダ(ドコモ、au、ソフトバンクや固定回線業者など)におけるログの保存期間は、おおむね「投稿から3〜6か月程度」と非常に短いのが実情です。

もし、「まずは自分で削除依頼を出して、様子を見てから犯人特定を考えよう」と数か月間を費やしてしまうと、いざ開示請求を始めようとしたときにはすでにプロバイダのログが消去されており、犯人の特定が永久に不可能になってしまうおそれがあります。また、現在の裁判手続きでは、ログが消えるのを防ぐための「消去禁止命令」と「開示命令」を一体的に申し立てる制度(発信者情報開示命令事件)が運用されています。画像の削除と犯人の特定は、事件発覚の初期段階から同時にスタートさせることが鉄則です。

刑事告訴(警察対応)と民事上の元データ消去交渉の違い

犯人の目星がついている場合や開示請求によって特定できた場合、次に検討するのが「警察への被害届・刑事告訴」と「民事上の示談交渉・損害賠償請求」です。この2つも目的と役割が大きく異なります。

リベンジポルノ行為は、私事性的画像記録提供等被害防止法(リベンジポルノ防止法)の「公表罪」にあたり、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される立派な犯罪です。さらに、2023年7月に施行された性的姿態撮影等処罰法により、同意なく撮影された性的画像(盗撮や同意なき撮影による性的影像記録)を特定・少数の第三者に提供した場合は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、インターネット上で公開するなど不特定もしくは多数の者に提供し、または公然と陳列した場合には、より重い5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方(併科)に処せられる可能性もあります。

警察へ相談し、リベンジポルノの被害届や刑事告訴が受理されれば、警察による刑事処罰に向けた捜査が進められ、事案の悪質性や証拠隠滅のおそれなどの捜査上の必要性と法的要件(裁判官の発付する令状など)に応じて、加害者の自宅の家宅捜索やスマートフォン・パソコン等の押収が行われることもあります。これは加害者に対する非常に強い抑止力となります。

しかし、警察はあくまで「犯人を捜査・処罰する機関」であり、民事不介入の原則があるため、被害者に代わってインターネット上の全転載サイトへ削除仮処分を申し立ててくれたり、加害者から慰謝料を回収してくれたりするわけではありません。

そこで重要になるのが、弁護士を通じた「民事上の交渉(示談交渉)」です。犯人を特定したうえで弁護士が代理人として交渉に臨めば、精神的苦痛に対する慰謝料や、削除・特定にかかった調査費用(弁護士費用等)の賠償を求めるだけでなく、以下のような再発防止の条項を盛り込んだ示談書(合意書)を締結させることができます。

  • 加害者が所持するスマートフォン、パソコン、外部記録媒体、クラウドストレージ内の該当画像・動画の元データを消去すること(弁護士の面前での消去確認など)
  • 今後一切、被害者の画像や個人情報をインターネット上に公開したり第三者へ提供したりしないこと
  • 万が一、約束に違反して再投稿やデータの保持が発覚した場合には、直ちに高額な違約金(ペナルティ)を支払うこと

もっとも、合意書の締結や面前での消去確認を行ったとしても、加害者が隠し持っている未把握の複製データまで物理的にすべて把握・消去できるとは限らず、それだけで将来の再発を完全に保証できるわけではありません。しかし、刑事上の処罰リスクを背景にしつつ、民事上の契約(違約金条項付きの示談書)で明確な不利益を定めることは、加害者による再投稿を強く抑止し、万が一違反が発覚した際に迅速に法的責任を追及するための有効な手段となります。

なお、相手が元交際相手など素性が分かっている人物であっても、被害者ご本人が直接LINEや電話で「今すぐ消して!」「警察に行くよ!」と連絡するのは絶対に避けてください。加害者が逆上してさらに多くのサイトへ画像を拡散させたり、ストーカー化したり、あるいは驚いて証拠(投稿履歴やアカウント)を隠滅して逃げたりする危険が極めて高いからです。相手への接触は、必ず証拠を固めた後に弁護士や警察を通じて行うようにしましょう。

削除代行業者の限界とリベンジポルノを弁護士に託す利点

「リベンジポルノ 削除」とインターネットで検索すると、法律事務所だけでなく、「ネットの悪評や流出画像を即日で消去します」「独自の技術で完全削除」などと謳う民間業者(削除代行業者やWeb対策会社)の広告を目にすることがあるかもしれません。

藁にもすがる思いのときほど、こうした耳当たりの良い言葉に惹かれてしまいがちですが、リベンジポルノの削除交渉や法的手続を弁護士以外の業者に依頼することには法的な制限とリスクが潜んでいます。最後に、業者利用における注意点と、真の解決のために信頼できる弁護士を選ぶ際の基準、そして弁護士に託すメリットをお伝えします。

弁護士にリベンジポルノの削除と法的対応を相談して安心する女性のイラスト

非弁行為にあたる削除代行のリスクと民間業者の限界

まず知っておいていただきたいのは、民間の業者が行う業務のうち、単なる転載状況の調査・モニタリングや技術的なサポートにとどまらず、弁護士資格を持たずに報酬を得る目的で、他人の法律事件に関して被害者の代わりにサイト管理者へ削除請求や交渉を行うことは、弁護士法第72条が禁じる「非弁行為(ひべんこうい)」に該当する違法行為であるという点です。

日本の法律上、本人に代わって他人の法的紛争に介入し、権利侵害を理由とする削除要請や送信防止措置依頼、仮処分の申立て、加害者との示談交渉を行うことができるのは、弁護士だけに認められた権限です。

もし法的な削除交渉を民間業者に委ねたり、非弁行為を行う違法な削除代行業者に依頼してしまったりすると、以下のような深刻なトラブルや限界に直面するリスクがあります。

  • 法的手続や代理人交渉ができないため解決に限界がある:民間業者は、仮に合法的な調査・監視や検索結果対策(いわゆる逆SEOなど)を行えたとしても、権利侵害を理由とする代理人としての削除交渉や、裁判所への削除仮処分申立てを行うことはできません。また、一部の違法業者が行う「被害者本人を装った削除フォームからの代理送信」などは非弁行為の疑いが強いだけでなく、任意の削除に応じない海外サイトや悪質サイトには通用しないため、高額な費用を払ったのに画像が消えないといったトラブルが懸念されます。
  • 証拠保全や開示請求との連携が取れない危険:法的知識や代理人権限のない業者に削除対応を委ねた結果、発信者情報開示に必要な証拠保全やアクセスログの保存期間(3〜6か月程度)を考慮しないまま手続きが進み、投稿者特定の手がかりが失われてしまうおそれがあります。
  • 二次被害・契約トラブルのリスク:違法な非弁行為を行うような業者に対して、ご自身の氏名、連絡先、そして「流出している性的画像のURLや情報」を渡してしまうことは非常に危険です。後になって業者との間で契約や費用に関するトラブルが生じた際、重大な個人情報を握られている状態になりかねません。

このように、画像の削除請求や法的手続、加害者への責任追及までを見据える場合、報酬目的で他人の法律事務を取り扱う違法な削除代行業者には依頼せず、最初から法的権限を持つ弁護士へ相談することが重要です。

早期に弁護士へ相談して削除と責任追及を進めるメリット

これに対し、弁護士は法律で認められた正当な代理人として、リベンジポルノ被害の初期対応から最終的な解決まで、すべての法的手続きを一貫して担うことができます。とくに以下のような状況にある方は、ご自身だけで悩まず、一刻も早く弁護士へご相談いただくことを強くおすすめします。

  • 海外のアダルトサイトや複数の掲示板・まとめサイトに画像が転載・拡散している
  • サイトのフォームから削除依頼を出したが、数日経っても消えない・窓口が分からない
  • ただ消すだけでなく、投稿者を特定して慰謝料請求や元データの消去交渉まで徹底したい
  • 元交際相手などから脅迫や執拗な連絡を受けており、自分で動くのが怖くてたまらない

早期に弁護士へご依頼いただければ、まず「何をどう保存すべきか」という安全な証拠保全のサポートから始まり、情報流通プラットフォーム対処法に基づく意見照会期間の短縮特例(2日ルール)を活用した送信防止措置依頼、検索事業者への削除要請、そして裁判所への削除仮処分まで、状況に応じた適切な削除手段を実行できます。さらに、ログが消える前の発信者情報開示命令の申立て、警察への刑事告訴の同行・サポート、加害者に対する損害賠償請求および元データ消去・違約金条項を盛り込んだ示談交渉までをワンストップで進めることが可能です。

私たち福岡フォワード法律事務所は、「情熱とスピード感をもって依頼者を護り、攻めの弁護で困難を乗り越えて前へ進むサポートをする」ことを理念として掲げています。

リベンジポルノの被害は、時間が経てば経つほど拡散の範囲が広がり、一方で犯人を特定するためのログは刻一刻と消えていくという、まさに「時間との戦い」です。当事務所の弁護士は、適切な証拠保全や迅速な削除要請、発信者情報開示手続、そして再投稿防止に向けた加害者との示談交渉や刑事告訴のサポートを通じて、ご依頼者様が平穏な日常を取り戻せるよう誠実に支援いたします。

性的な画像の被害は、誰にも打ち明けられずお一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、あなたが悪いわけでは決してありません。秘密は厳守いたしますので、まずは勇気を出して一歩を踏み出し、当事務所までご相談ください。

福岡フォワード法律事務所へのお問い合わせはこちら

keyboard_arrow_up

08056321002 問い合わせバナー LINE予約はこちら